第32話田中1-5

起爆剤を使う日はすぐに来た。

用事があり、休みを貰った次の出勤日。

いつも通り


「おはようございますー」


出勤をすると、ニヤっと笑った小西さんと目があった。



「おはよう・・・・えっ?田中さん出勤して来ちゃったのぉ~?」


わざとらしい言い方だ。



「今日は出勤日なので、出勤したんですけど・・・・」


「出勤日?昨日高谷さんが朝礼で

『田中さんは無断欠勤したからクビになりました。

人手が不足しますが、よろしくお願いします』

って皆の前で挨拶してたよ?

そりゃそうだよねー。社員の許可なく勝手に休んじゃクビだよね~」


高笑いをしながら喋る小西さんの姿は、まるで今の状況を楽しんでいるみたいだ。



「無断欠勤?してないですよ。

最初に休む話はしてたじゃないですか!

小西さんともこの話しましたよね?ほら、私が外で草むしりしてる時に・・・・」


「そうだっけ?覚えてないなー」


「とぼけないで下さいよ!」


「でもクビはクビだから。私関係ないし。

昨日でクビになってるから、田中さんの今日のシフト表にもう名前ないよ。

仕事の指示も載ってないし。

事務所に行って見てみたら?」

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