第31話田中1-4
今まで高谷さんや佐藤さんがキツくて小西さんの存在が掠れていたけど、思い返せば小西さんにも色々言われてたっけ。
最初は誤解を生みやすい話し方をする人なんだって思っていたけど、もしかしたら本当は私の事を嫌って嫌味を言っていたのかも。
どうして嫌われたんだろ?
草むしりをして店内へ入ると、佐藤さんと高谷さんと目があった。
二人共思いっきり私の事を睨んでる。
小西さんは何故だか笑っていた。
「折角仕事を与えてあげたのに、何考えてるんだか」
「非常識な子だわ。この子採用したの誰だっけ?あぁ店長か」
「店長なら仕方ないよ。だってあの人見る目ないもん」
「仕事があるって事に感謝しろって」
3人の手元を見ると、トランプが散らばっていた。
私が外で草むしりをしてる中、3人はトランプをして遊んでたの?
「田中さんお疲れ様ー!ぶっ・・・、顔泥だらけで汚いよ~」
小西さんが私の顔を指差して笑う。
「田中さん、次のシフトだけど、用事あるなら休んでいいからね。
別に田中さんの代わりなんていくらでもいるし、居なくても大丈夫だから」
「草むしりなんて誰にでも出来るしね」
そう言って3人は笑う。
・・・・・・何これ、ムカつく。
事務所へ戻ると、誰も来ないうちに壁に貼ってある連絡先の写メを撮る。
撮り終えた後すぐに高谷さんがバックルームへやってきた。
・・・・・来ると思った。
いつも私が事務所へ入ると、様子を監視しに来る。
陰険な男だ。
上着を着ると、
「お疲れ様です」
速攻へ店を出た。
店の外で先ほど撮った写メを確認する。
ちゃんと撮れてるかな?
大丈夫みたいで安心。
陰険な事をしておいて、あいつらはこの連絡先を私が気づくのを恐れてるみたい。
・・・・・勿論気づいてるよ。
この連絡先は万が一、何か起こった時の私の起爆剤。
消さないよう大事にしないと。
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