第29話田中1-2
思い返せば突然こんな扱いを受けるようになった気がする。
思い当たる事と言えば・・・・・・以前、高谷さんが休みなのにお店に来て「車で家まで送る」っていう提案を断った時からかな?
断り方が悪くて怒りをかってしまったのか?
単純に私が交際をやんわり断った事に苛立ったのか?
そもそもここへは働きに来てる訳で高谷さんとお付き合いしないと働けないなんてオカシイんじゃない?
最初は高谷さんだけと拗れていたはずが、気づけば佐藤さんにも冷たく当たられるようになり、毎日嫌味や文句を言われ放題になってしまった。
レジに入れば、ミスをしていないか?1件1件隅から隅までチェックされ、ミスが見つかれば怒鳴られ、ミスをしなければ舌打ちをされる。
お金は稼げないし、扱いは悪いし・・・・辞めようかな。
そんな事を考えながら草をむしっていると、店内から小西さんがこちらへやってきた。
「あぁ田中さんおはようー」
「おはようございます、小西さん」
炎天下の中汗だくで草をむしる私と、店内で埃を落とすのが仕事の小西さん。
小西さんと私には扱いにも差があった。
「暑くて大変だねー、草むしり。
手伝いたいけど、手伝ったら副店長に怒られちゃうから」
そう言うと私がむしろうとしていた草を踏みつけた。
「えっ?あぁ・・・・。
暑いですねー。倒れちゃいそうです」
踏まれた草をむしるのを諦め、別の草をむしる。
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