第21話小西 由佳子2-2
いつもの密会。
最近は待ち合わせ場所で車に乗ると、無言でホテルへ向かう日々。
いつもの事が終わり、あらかじめ持ってきていたプレゼントを渡す。
「ありがとう」
最近はそのプレゼントを受け取ると、開ける事もしなくなった。
前までは喜んでその場で開けてくれてたのに。
苛立ちながら、私はタバコに火を付ける。
すると高谷は嫌な表情をした。
高谷はタバコを吸わない人間だった。
「ねぇ~、高谷さん。
最近田中さんとなんかいい感じじゃない?」
「あぁ・・・まぁね」
遠まわしに アンタと田中の親密さ を指摘したつもりだったんだけど、高谷は少し嬉しそうな表情をした。
最近私には見せなくなった顔だ。
「なんかさ~、ヤキモチ焼いちゃうよね~。
今までは高谷さんは私だけと会話したりしてたのに。
最近じゃ、店内では田中さんと会話してる時間の方が長くない?」
「まぁね。田中さんは働き始めたばかりだし、由佳子とは店以外でしゃべれるじゃん」
「そうだけど・・・・・。
そういえば来月のシフト表!
私と高谷さんが重なる日が少ない気がするんだけど?!
店長と佐藤とばっかり重なってるし・・・・」
「え?あぁ・・・・気のせいじゃない?」
誤魔化した・・・?
「気のせいじゃない!明らかに減った!
その代わり、田中と高谷さんの2人っきりの勤務が増えたじゃん!」
つい声を荒らげてしまった。
すると高谷は嫌そうな顔をする。
どういう事?
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