第19話小西 涼介1-4
あれから数日。
一行にサプライズをする気配もなく、日にちだけが過ぎていった。
「・・・・あの女・・・・ムカつく」
母さんはブツブツ言いながら、今日も荷物を整理している。
サプライズの事を聞きたいけど、そんな雰囲気じゃない。
奈々葉も隠してある手紙と似顔絵をたまに引っ張り出しては眺める日々。
サプライズパーティを楽しみにしているみたいだ。
それから数時間後。
「ただいまー」
いつもより早く父さんが帰ってきた。
今日は珍しく母さんも家に居る。
「パパおかえりー!」
父さんの事が大好きな奈々葉が早速飛びついた。
「ただいま、奈々葉。
着替えてくるから待っててな」
そう言うと一瞬奈々葉をギュっと抱きしめると、部屋へと歩いていく。
「うん!ねぇ、パパ~。パパは次何になったの?」
始まる気配がないサプライズパーティにしびれを切らしたのか?奈々葉が父さんに問いかけた。
「ちょ、それはないし・・・・」
と言いかけた時、
「何になったって何だ?パパは何にもなってないけど?」
不思議そうな顔をして父さんは聞き返した。
「えっ?パパ偉くなったんでしょ?だからママが・・・」
「偉く?・・・なってはないけど・・・・、最近残業が多いからその事かな?
仕事が忙しいだけだよ。
一緒に遊ぶ時間が減ってごめんな」
そう笑うと、父さんは奈々葉の頭を優しく撫でた。
偉くなってない?
じゃあサプライズパーティはいつやるの?
残業で仕事が忙しいから、母さんはそれを可哀想に思って父さんにプレゼントを渡すって事にしたの?
どういう事?母さん。
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