第18話小西 涼介1-3

今日もまたダンボールを開け、届いた荷物を整理する。



「・・・これがあれば気を引けるかな・・・?

いや、今回はこっちにしようか・・・・」



荷物を片手にブツブツ独り言を話す母さん。

手に持っていた物は、いつも届く女性用の物ではなく父さんが使うような男性物みたいだ。



「珍しいね!父さんにプレゼントするの?」


母さんに話しかけると、



「えっ?これは・・・・・そうよ!

でもサプライズだから父さんには内緒ね!」


「サプライズ・・・・・?

父さん誕生日か何かだったっけ・・・・・?」


父さんの誕生日はもうすでに過ぎた。

不思議に思っていると、



「お父さんはね!出世する事になったの!

だからそのお祝い!

勝手に喋るんじゃないよ!いい?わかった?」


出世か。

凄いな~、父さん。


いつも仕事が忙しい中、休日には俺や奈々葉と遊んでくれる優しい父さん。

帰りが遅い時もあるけど、早く帰ってきた時もかまってくれる。

大好きな父さんが出世する。


・・・・俺も何かしたいな。

普段の恩を返す為に。



「いつまで泣いてるんだよ!

そんな事より父さんに絵を描こうぜ!」


ソファーでメソメソしている奈々葉に声をかけた。

お金がないから何も出来ないけど、絵を描く位の事は出来る。

俺たちも日頃の感謝の気持ちを父さんに伝えるんだ。


奈々葉に事情を説明すると、すぐににっこり笑顔になり画用紙にクレヨンで絵を描き始めた。

俺も父さん宛の手紙を書く。


サプライズって言っていたから、いつパーティをするのかわからないから早めに準備しないと!

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