「シェア」


 今回はシェアハウスあるあるの「シェア」について。


 一般のシェアウスでは、調味料や食材、食器、シャンプーや洗濯洗剤、大雑把なところではタオルなど、ありとあらゆる日用品のシェアが行われている。

 漫画で良くある、ふわっと髪がなびいて「あ、○○と同じ匂い……」(ぽっ)


 むろん、そのような事態は我が家では起こり得ない。


 何せ、間違えて魔お……うさぎさんのものを使ってしまわないようにと、全員が、違う種類の洗濯洗剤とシャンプー・リンスを常備している。

 と言うより、真似をされることを何より嫌ううさぎさんと、同じものを使う猛者は、きっともう現れない。(過去にいたが駆逐された)



 さておき、我が家でシェアしているものと言えば、トイレットペーパーや食器用洗剤……主きは掃除に関わる品物のみ。生活感丸出しで申し訳ないが、女子力アップな可愛らしい系の品は何もない。

 以前、お洒落な空間を目指してアロマを焚いたら「臭い」と言われたので、そこからは芳香剤関係も置かないようにしている。

 食材や食器についても各々、のため、棚や冷蔵庫は、いつもエライコッチャな詰め込み具合だ。


 そんなルールを決めたのは、栄えある1期生--

 うさぎさんと、きつねさん。


 きつねさんは、うさぎさんの2日遅れで入居。

 まさかの、家の前に貼っておいた広告を見て「シェアハウスしてるの?入ろうかな?」と、電話をしてきた、ご近所の自由人だ。

 私が知る限り、うさぎさんが心を開いていたのは彼女だけ。

 それほどまでにきつねさんは、自由で、自由で、自由だった。


 実は、これまでに一度も実家から出たことが無かった、ぽんとうさぎさん。

 対して、きつねさんは海外のゲストハウスやシェアハウスを渡り歩いていたという玄人。そのため、序盤の生活は全てきつねさんにおまかせだった。


 家でご飯を食べることがないぽんと、朝のみ食べるうさぎさん、三食きちんとなきつねさん。最初に集まった三人の生活リズムが違ったために、必然的に食料品関係のシェアはしない方向に。


 結果、三人しか住んでいない家に、マヨネーズとソースが三本ずつあるという光景が生まれた。

 

 ……なお、マヨネーズについては、今でも人数分、冷蔵庫に入っている。

 共同で使えよと言われそうだが、一揆が起きかねないので未だ個々だ。

 良いように言えば、お互い遠慮なく使うために、シェアせずにいる。



 自由なドクジョとは言え、気は使う。

 むしろ、気を使うからこそ、シェアはしない。

 その代わり、借りたいものは、借りる。お礼付きで。



 ちなみにきつねさんは、ものの1カ月で我が家を去った。

 理由は「シェアハウスなのに、二人とも全然いないから寂しいしww」


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