ダンジョン歴11日目
今日は、裸で草を燻していた。ダンジョンの中は普通、日が照らない。おかげで樹木系のモンスターへのノウハウは獣に比べて圧倒的に少ない。
それでも一つ、確実に効くとわかっているものがある。火と煙だ。
考えてみれば当たり前のことだが、山火事に向かって突っ込んでいく馬鹿はいない。だから特に同族……まぁつまり、木なんかのことだが……を燃やした煙ほど効くらしい。人間だって動物の肉を焼いてるような場所には近寄りたくは……
なんだか腹が減ってきたな。
生木は何だかんだ燃えづらいのと、下草に延焼する火事が怖いのとで、慎重にやっている。あと、服に下手に匂いがつくのが嫌で脱いで作業していたが、そのせいか頻繁にくしゃみが出た。
このところ日中の作業量は増える一方で、休息も万全とは言いがたい。ここで体調を崩したら、本当に終わりだ。今日は万全を期して早めに寝ることにしよう。
もしかすると誰かに噂でもされていたのかもしれないが、そうなると、はて、誰だろう。王国からの前金で払ったから、ツケの取り立てということはあるまいが。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます