おまけ1 ちがう!!!

「音街、新曲どうしような」


ミクがそう呟いた。前作「ぼくらのディメンション」を公開してから約一週間経ったある日のことだった。


「どうしましょうね。また、叫ぶんでしょうね」


ウナは絶望しきった顔をした。


「だがな、音街。結構、その叫び好評だったぞ。弾幕できてたし」


「ですけど、わたしのSAN値が……」


すると、袴田がやってきた。


「ねえねえ!ツービートの曲とかどうかな?!」


「わかんないからはかまーが勝手にやってて」


「袴田さん。そもそもツービートって何ですか?」


袴田はふらふらと地面に手をついた。


「歌詞はある程度思い浮かんでるんだけどなぁ……」


と一枚の紙をミクに渡した。


「君と僕ら違う人でだから素晴らしい!」


ミクは朗読した後、チラリとウナを見た。ウナは何かを感じ取ったのかコクリと頷いた。


「音街、やりたいことはわかったか?」


「なんとなくですが……。はい」


「じゃ、やるぞ」


ミクの謎の合図に袴田は疑問符を打つだけだった。ミクが咳払いし、パソコンを触ってメトロノームを鳴らした。


「このテンポに合わせてな」


「わかりました!」


またミクは咳払いをした。


「君と!」


「僕ら!」


「違う!」


「人で!」


「「だから素晴らしい!」」


二人が自分のイメージを膨らませたかのように演じた。


「おー!」


袴田は感嘆した声をあげた。


「こんな感じ、どう?」


ミクが言った。


「アイデアが浮かんできたー!」


というわけでできた曲が「ちがう!!!」であった。


(フィクションです)


楽曲はこちら→http://www.nicovideo.jp/watch/sm30057669

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る