主人公の"少年"は、思春期特有の気怠さに身を委ねた、不登校児。そんな少年の前に現れた謎の少女は、彼の良き理解者だった。
そんな彼女と言の葉を交わすたび、彼の中ですくすくと育っていったのはーーー
この作品には、不要なものが一切ない。題名、選ばれた言葉、そして文章。この3つ全てでもって、美しく完結している。
この作品の1番の魅力。
それは、完璧に削り落とされた必要最小限の表現の元で生み出された、冗長性だ。
それはさながら、一過性で特効薬のない、思春期の如く。
読みきるのに、20分とかからないだろう。是非一読することをお勧めしたい作品だ。