第123話 最強の指揮管制能力者
大食いが更に一人増えた。
というのは取り合えず別の話にしよう。
とりあえず最初の朝食は三郷先輩にご満足いただけたようだ。
さて、実戦演習だ。
いきなり俺は大ピンチ。
俺対委員長&松戸&綾瀬連合軍。
武器はこの前の大会で使ったものの流用。
管制担当は三郷先輩が俺側に、みらいが連合軍側についている。
「そっちは佐貫君を殺すくらい本気で狙うです。殺しても死なないとは聞いているです。佐貫君は女の子相手だから当てる程度に加減するです」
つまり俺は問答無用で死ねということですか先輩。
「それじゃあみらい、10秒後開始するです」
さあ俺の運命は三郷先輩の管制に委ねられた……
けどこの3人に本気モードで攻められたら……
また長椅子安置の刑かな。
綾瀬が増えた分だけ更に悲惨な事になる可能性も……
『さて佐貫君。君の役目は目の前の3人とみらいに足りないものを教える事ですよ。ギリギリの動きを指示するから頑張ってついて来てくるです』
三郷先輩から念話が入る。
「え、これって」
『口に出さずとも聞こえるですよ。まずは私の指示に従うです。大丈夫、有効打一つ与えない予定です。まず神眼を開くです。対象は相手3人、意識を集中する必要は無いです』
明らかにみらいと違う管制方法だ。
受け取るデータや指示も守谷から送られてくるより遥かに少ない。
でも内容は必要十分でわかりやすい。
そして。
『3歩前進、150度右展開、美久ちゃんの短刀を払ってZ3軸-2後退』
実際は言葉よりももっと別な形態で指示が送られてくる。
その内容は非常に具体的だ。
俺はただ指示通り動く。
突如突き出されたとしか思えない綾瀬の短刀が俺の右の刀で自然に弾かれた。
『一秒後右ひざをついて姿勢を低くして軽く左の剣で前45度を薙ぐ。手ごたえあったらすぐZ3軸-4Z2軸+2へ後退してジャンプ、上空2メートルで向き水平』
委員長の連撃が俺の剣で逸らされ後方へと通り過ぎる。
『着地、両方の剣でクロスして振り下ろされる太刀を止める』
一撃必殺の松戸の技がそれだけで見事に止まった。
太刀が止められた衝撃で思わず松戸が太刀を落とす。
パンパン、と手を叩く音がした。
「演習その1終わり。どう、それぞれ弱点分かったですか?」
鮮やかすぎる。
3人の行動を止めた俺自身が信じられないくらいだ。
皆声も出ない。
「美久ちゃんは狙いはいいんだけど動きが単調。だからモーション開始の瞬間に位置を少し変えて待ち伏せれば簡単に迎撃されます。
秀美ちゃんはまだ異空間使用に慣れていないかな。相手も同等の異空間移動持ちなら一撃離脱以外で接敵速度を速めるのはむしろマイナス。自分も相手の異空間移動について行けるくらいの速度でないと逃げられて後ろから追撃されるですよ。
ユーノちゃん、一撃必殺は外すと隙が大きくなるから離脱まで含めて行動して。一撃で倒せない相手だと即終了になるですよ。
みらいは学校での管制なら今のでいいけれど、相手が自分たちより遥かに強大な場合はそれじゃ足りないのです。せっかく秀美ちゃんや佐貫君みたいな神眼持ちがいるんだから起動してもらって見える未来の範囲まで処理したうえでそれぞれに最適な動きを指示。あと伝送する情報も必要なものに絞る事。そうしないと相手がパンクするですよ。
後は今はこっち側に回ってもらったけど佐貫君ね。君は圧倒的な筋力と体力があるから今まで相手の動きを見てから対処する後の先的な戦い方で充分対応できた。でも相手が自分より能力が上の場合はそれが効かなくなる。ユーノちゃんのような一撃必殺系の技も覚えておいた方がいいですよ。
以上ですね」
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