第8章 強すぎる敵
第115話 敵襲、再び
『連絡、侵入1個体。正体不明なれど強力な神聖系反応あり。現在飯農市街地付近。本校より東南東9.3キロメートル。敵対可能性9割以上』
三郷先輩の声だ。
早くも状況を確認したらしい。
『避難連絡、一般生徒は体育館に集合して下さい。繰り返します。一般生徒は体育館に集合して下さい』
みらいも指示の連絡をはじめた。
『銃撃部隊1から指揮所。銃撃部隊1、集合準備中。集合次第、多峯主山拠点へ移動予定』
「俺達は?」
いつの間にか現れた委員長に尋ねる。
「まもなく集合場所の指示があると思うよ」
委員長がそう言った直後。
『指定生徒宛て。指定生徒は第1視聴覚室へ集合して下さい。繰り返します。指定生徒は第1視聴覚室へ集合して下さい』
これか。
「ユーノはみらいと先に行った」
と綾瀬。
「なら行くか」
俺達3人は第1視聴覚室へと異空間移動した。
◇◇◇
第1視聴覚室はかなり広い部屋だ。
そして既に先着している面々が多数。
例によって馬橋先生が集合した面子を確認している。
そして指揮卓にはみらいや三郷先輩、校長や教頭が既に到着していた。
『敵と推定される個体は1体。父と子と聖霊教会が関与していると判明』
父と子と聖霊教会か。
はじめて聞く名だな。
そう思ったところ、色々な情報が脳裏で展開される。
『父と子と聖霊教会とは、東方正教会から派生した異端の宗派であり秘密結社。南米に組織を持ち神聖騎士団とも交流がある。異教徒及び亜人種は悪魔の使徒として敵視し、小規模なテロを繰り返し実施している』
これはきっと委員長の知識の一部だな。
なかなか便利だ。
さて。
「委員長、このタイプの攻撃って過去にあったのか」
委員長は首を横に振る。
「ん、無い。今回の敵は今まで確認されていないタイプ。聖霊教会が関わっている時点で敵には違いないけれどね」
『偵察部隊1、天覧山拠点に配置完了』
『指揮所了解』
『射撃部隊1配置完了』
『指揮所了解。射撃開始』
少し遅れて遠くから音が聞こえる。
しかし。
『敵に直撃弾3発。ただし敵に目立った損傷無し』
『了解、射撃部隊1離脱』
その直後、敵のエネルギー反応が大きく膨らむ。
『偵察部隊1離脱』
その直後、敵から何らかのエネルギーが放出された。
『多峯主山拠点消滅。射撃部隊1については離脱完了、人員の被害無し』
「重機関銃も効かないか」
おいおい。
車両だって木っ端みじんになる重機関銃だぞ。
『偵察ドローンより敵の画像、入ります』
画像は指揮能力により各々に転送される。
その姿は一見、ほぼ人間そのもの。
白いゆったりとした服を纏った細面の長髪に髭を生やしている。
だが纏っている力はとても人のものでは無い。
ただその視線には意志というものは感じられない。
その辺りがどことなく神聖騎士団の原罪なき者と似ている。
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