第105話 戦闘結果を解析中
小吉クラブの鮮やかな作戦勝ちだ。
しかしあの飛行機械への変形、あれは何だ。
歩行形態から一気に500系新幹線前面みたいな流線形になったけれど。
でも今の問題はそれじゃ無い。
今俺が気にするべきなのは。
「松戸、さっきの小林先輩と安食先輩の動き何なんだ。急に変化したけれど」
「あれが三郷先輩の真の奥の手よ」
松戸がそう言って頷いた。
「ん、前に私が佐貫の身体を乗っ取って動かした事があったじゃない。あれと近い事を三郷先輩も出来るんじゃ無いかと思っていたんだ。乗っ取るのとは別の方法で」
何ですと。
「乗っ取る以外の方法でって、どうするんだよ」
「ん、みらいは指揮能力でリアルタイムで何人もに指示を出す事ができるよね」
委員長の問いかけにみらいは頷く。
「念話の他にある程度形を変えても出来るです。視覚を使ったり触覚を使ったり」
「更にそれを先鋭化して、動かす筋肉と動かし方を指示したり、ある程度電気的刺激でそれを手助けする事が出来るんじゃないか。私はそう思ったの。秀美も同じ考えだった」
今度は松戸が説明した。
委員長も頷いて付け加える。
「ん、三郷先輩はあの人数なら肉体の限界性能を発揮させる事も出来るだろうってね。思った通りだった訳だ」
うわあ、チート過ぎる。
確かに指揮能力なんだろうけれど。
「ん、でも飛行形態なんて使うとは思わなかったな。これならみらいと同等に動ける訳だ」
「あ、あ、その通りなのです!」まずいのです!」
みらい、委員長に言われてはじめてその事に気づいたようだ。
結構焦っている。
「大丈夫よ。基本的に明日の決勝戦、攻撃は私1人でやるわ。みらいには佐貫をガードに付ける。その代わり佐貫は全力でみらいをガードして」
「ん、当初の予定を変えた方がいいかな」
「選手はそのままでいいと思うわ。内原先輩の攻撃が通らないなら異空間戦闘は効かないと思っていいし。
秀美も友部先輩を相手にした後の連戦、昼からでもきついでしょ」
「ん、確かにそうだね」
おいおい、俺の連戦は無視かよ。
まあ確かに一番回復は早いけれどさ。
「私も久しぶりに術をフルに使ってみようかな。直接ダメージを与える以外なら術は使っていいルールだし」
「あんまりやばい術は使うなよ。田中先輩みたいなのとかさ」
こいつの実力は未だに俺にもわからないのだ。
前に戦って勝てたのはたまたま松戸の想定外の方法を使えたからに過ぎない。
その事は俺自身がよくわかっている。
おそらく委員長も、そして綾瀬もみらいも。
「大丈夫。使うのは式神までよ。ただ数も実力も2回戦とは違うレベルのを出すつもり。いざという時は、だけれども」
「ん、私はあんまり賛成はしないな。ユーノの力を信用していない訳じゃないけれど。その力は使わない方が戦力としてのバランスがいいように思える」
「そうね、確かにそう」
松戸も頷く。
「でも実はあえて試してみたいの。というか本音を言うと見てみたいの。そこまで不利な状態で三郷先輩がどう動くか。
まあ実際に使うかどうかはケースバイケースだけれどね」
「そう言えばあの飛行機械、どうすればダメージが通るんだ?」
ふと何となく思いついて聞いてみる。
「ん、今回は模擬試合ルールだからね。機械の本体を殴ってもダメージと認められるよ。装甲や耐久力も無視で一律同じ値に設定しているから格闘戦だと逆に不利じゃないかな」
「要は人間相手と同じダメージとみなされるって訳か」
「ん、そういうこと」
「あと、みらい相手にジャミングをかけられた場合でもみらいはジャミングを相手にかけられるのか」
「それは……多分大丈夫なのです」
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