第4話 超能力は少しだけ

 気づいた時にはもう親父は居なかった。

 残っていたのは例の角3形紙封筒のみ。

 そしてゲームは討伐寸前だった敵に反撃され、ゲームオーバーになっていた。


 興をそがれたのでパソコンは無視し、親父の残した紙封筒の中身の点検に入る。

 中に入っていたのは4枚のメモと学校のパンフレット。

 まずはメモから見てみる。

  1枚目は学校への行き方を詳細に書いたメモ。

  2枚目はゲート一覧表という題で地図と住所等が書かれたもの。

  3枚目は『龍洋の使える可能性がある能力一覧』という題の表。

  4枚目のメモは殴り書きだ。『手続きは全て済んだ。4月までに入校・入寮しない場合はクレジットカードを止める。心しろ』とだけ書いてある。

 つまり俺には逃げ道がない、という事か。


 でもまあ、また高校生をやり直すのも悪くはないか。

 まあまだ3月になったばかりだし、日程的には余裕だ。

 そう思った俺が真っ先に読み始めたのは当然3枚目だ。

 自分が超能力を使えるとなれば気になるのは仕方ない。


 書かれている能力は結構多い。

 ○ 常時発動中の系統

  ・ 筋力強化

  ・ 視力強化(暗所、遠距離)

  ・ 思考加速

  ・ 高速回復(体力回復、再生能力)

  ・ 高持続力

  ・ 長寿・不老不死(制限有)

 ○ 意識しての発動が必要な系統(確実に習得可能かは不明)

  ・ 外見変化

  ・ 霧化

  ・ 蝙蝠化

  ・ 魅了(性別、種族問わず)

  ・ 眷属化、眷属召喚(注意事項有※1)

  ・ 雨乞(低気圧召喚、積乱雲召喚、地熱上昇)

  ・ 託宣(限定未来予知)

  ・ 龍化(東洋龍、飛行可、ブレス(種別不明)使用可、超高耐久)

  ・ 飛行

  ・ 透明化

  ・ 被召喚(疑似瞬間移動)

  ・ 属性下の事物操作(何の属性かは不明)

  ・ 他は不明


 そういう事は俺の母親は東洋龍関連の何かということか。能力からして。


 能力は色々あるが、とりあえず便利そうな能力を試してみよう。


 飛行!

 念じるが飛べない。

 少しジャンプしてみる。落ちる。

 もう少し強くジャンプ。落ちる。


 なら勢いよく。

 グァツーン!!


 痛え!天井に頭ぶつけた。

 興がそがれたので能力調査はそこまでにする。

 このジャンプ力からすると、とりあえず筋力強化は確かだろう。


 気がつくと部屋の照明も消えている。

 照明無しでカーテン閉めっぱなしの中これだけ普通に物が見えるという事は、視力強化も確かだ。

 他の便利そうな能力はきっと習得に努力なりそれなりの方法が必要なのだろう。

 それを学校で教えてくれるかは……ま、無いな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る