ラスタ

「今から国王候補者3名は、一人ずつアレンシア様と面接をして頂きます」

ドリーはそう言うと城内で一番広い部屋(カラスの部屋)にアレンシアと国王候補者を案内した。


「この部屋は城内で一番大切にされている部屋です。決して無礼な態度をとらないようお気をつけ下さい」

ドリーはそう言うと二つの椅子を用意した。


一つは今にも壊れそうなボロボロの椅子


もう一つはアレンシアと名前が彫られた高級感ある木の椅子だった。


「国王候補者は好きな方にお座り下さい」

ドリーはそう言うと

ラスタ元軍隊長を1番手に指名した


「それではお楽しみください」

ドリーはグラエナ、スタドラを連れて部屋を出ていった


ラスタは、スグにボロボロの椅子に座った。


アレンシアはその行動に驚いた


「ラスタさんって謙虚な一面もあるんですね」

アレンシアが言うと


「早く質問を始めろ」

ラスタは少しイライラしていた


「あ、あのラスタさんは何故国王に立候補したのですか?」

アレンシアは勇気を振り絞って聞いた


「国を変えたかった」

ラスタはアレンシアの目を見ながら言った


「国を変えるとは?」

アレンシアが聞く


「この国はクルト国王が亡くなってから貧富の差が大きくなった。貧乏人は道端で野垂れ死に、富豪は毎日肉を食べるような暮らし。この差を見てみぬ振りをしていた政府を許せなくてな… 俺が国王になったら城を潰す。そして富豪を全員殺して貧富の差を無くす。それが国を変えるって事だ」

ラスタは声を荒らげながら言った


「私達は殺されるのですか?」

アレンシアは不安そうに聞く


「もちろんだ。最初にお前ら政府の重鎮共を打ち首にする」

ラスタは笑顔で言った


「そうですかぁ… 」

アレンシアは心の中で

コイツは何バカなこと言ってるんだろう…


と考えていた


「分かりました。アナタが国王になったら私を打ち首にするんですね?間違いないですね?」

アレンシアが聞くと


「その通りだ。オランジュさんも一緒に殺してやるよ」

ラスタはそう言うと勝手にカラスの部屋から出ていった。


「一人目から問題児すぎるんですけど…」

アレンシアは頭を抱えていた。

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国王なんだけど! みやこ @yutakun1003

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