もう少しお話どうですか?

新人類らしき少女は

滝のように出てくる嘔吐物を右手でなんとか抑えながら

「グ、グーシーさんは新人類を信じますか?」

少女は少し笑顔になりながら聞いてきた


「私は信じている。新人類が存在しないと私達は誰と戦っているんだ?という話になるだろ」

グーシーが返答すると


「やっぱり信じているんですね」

少女は嘔吐だけでなく涙も流し出した


「なぜ泣いている」

グーシーが聞く


「新人類はこの戦争が始まる前に滅びてます。新人類は地球の環境に馴染むことが出来ず私みたいに瀕死の状態で生きているのです…」

少女は嘔吐物の中に血も混じっているらしく、赤色の嘔吐物も出てきた。


「じ、じゃあ今私達が戦っている正体は何だ?新人類じゃないとしたら何と戦っている!」

グーシーが大声で叫んだ


「マーガレット国が大きくなる為の嘘ですよ。他の国が殺し合いをしてくれればライバル国は勝手に戦力ダウンしてくれる。それが目的でしょう…」

少女は落ち着いた声で言った


「そ、そんな事があってたまるか!私は今からマーガレット国王に聞きに行ってくる!嘘だったらお前を殺しにくるからな!」

グーシーはそう言うと部屋から出ようとした


「あ、あの。私の名前教えておきたいのですが…」

少女は小声でグーシーの足取りを止めた。


「何と言うんだ?名をな…」

グーシーが少女の方に振り返った瞬間


少女は少女の身体から魂だけ飛び出しグーシーの体内へと入っていった。


「よし!やっとこれで元気な身体が手に入った!」


新人類の少女…


いや、

新人類軍隊長フレドリカはグーシーの丈夫な身体に喜びながら

アレンシアが一人座っている建物の入口までゆっくりと戻って行った

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