軍隊長

グーシーとアレンシアは歳は近いが遊ぶ内容が違った為二人でいる時間はほぼ無かった


普段はクルト国王が二人を一緒にさせないためにロイド執事をグーシーと同行させてアレンシアに近づかせないようにしていた


しかしある日事態は急変した。

マーガレット国王がマイル国にやって来た。

会議室でマーガレットは

「新人類戦争へマイル国にご参加をして頂きたいですわ」


「嫌です。私達マイル国は戦争参加は致しません」

クルト国王はハッキリとマーガレット国王に言った


「参加出来ないならせめて一人マイル国を代表して軍隊長を貸して下さらない?」

マーガレット国王は満遍の笑みで言った


「は?私達マイル国は軍隊を所持していませんよ?」

クルト国王は何のことか分からずに質問し返した


「グーシーさんですよ。彼女は他国から何と呼ばれているか知っていますの?」


「何と呼ばれているんですか?」

クルト国王は不安そうに聞くと


「死神」

マーガレット国王は落ち着いた口調で言った


「グーシーだって優しい所はあります!そんな死神みたいに殺人が好きな子供ではありません!」

クルト国王が大声で言った


その声を聞いていたグーシーが会議室に入ってきた。


「新人類戦争で軍隊長出来るの?」

グーシーは目を輝かせながら聞いた


マーガレット国王は

「もちろんですわ。しかも新人類に勝ちますと世界の英雄になれますわよ!」

グーシーに軍隊長をやってもらうためにマーガレット国王は必死に軍隊長の良さを言った


「よし!軍隊長なるよ。お母さん軍隊長として参加してもいいだろ?」

グーシーが聞くと


「ダメよ。アナタがもし死んだら誰が国王のあとを継ぐの?」

クルト国王が聞くと


「アレンがいるじゃん。アレンなら国王に向いてるよ。お母さんもそう思うだろ?」

グーシーが聞くと


「もう、好き勝手やりなさい」

クルト国王は何も言えなかった。


クルト国王の内心ではグーシーが将来国王になるのは少し不安があった


彼女の性格からすると

平和なマイル国を軍事国家にする事もありえる。


それならアレンシアに継がせて平和な国を築いてもらう方が将来のマイル国の為にもなる。

そう考えて、グーシーをマイル国軍隊長としてマーガレット国に任せることにした。


その晩グーシーは一人荷物を持ってマイル国城を後にした

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