第2章

国王が産まれる一年前マイル国では話題の二人の女の子がいた。

全世界が女神と称える美しさをもつグーシー次期国王とグーシーの妹であるアレンシアがいた


マイル国の城の門には記者陣がその二人の姉妹をカメラで撮ろうと毎日やって来ていた




「ねぇお母さん!カメラの所に行ってきてもいいかな?!」

アレンシアが窓の外に見えるカメラマンを指さしながら言った


「お母さんじゃなくて国王様でしょ?いつまでもお母さんって呼んでいると国民に笑われるわよ」

アレンシアの母親であり国王でもあるクルトが言った。


「でも私は国王にならないもん。お姉ちゃんが国王になるから関係ないし」

アレンシアは少しふてながら言うとクルト国王は

「そんなこと言ってると貴女の妹にバカにされるわよ」

そう言いながらお腹を優しく撫でた


「え、お母さん妹出来たの!?名前とか決めてるの??」

アレンシアはクルト国王のお腹を触りながら聞いた


「そうね。名前は… 」

クルト国王が言おうとした瞬間


「国王様!グーシー様がお庭で黒猫を… 」

当時執事をしていたロイド執事が汗だくだくの顔で言った


「またグーシーは猫を殺したの!?」

クルト国王は呆れながら急いで城の庭に向かった


「お母さん… 」

アレンシアは一人置いていかれた部屋で寂しさのあまり泣いていた



一方庭では

「グーシー!なぜ猫を殺すの?」

クルト国王が聞くと


「私と目を合わせてきたから」

グーシーは一言そういうと黒猫の眼球に木の棒を突き刺した


「やめなさい!猫が可哀想でしょ?!」

クルト国王が大声で怒鳴ると


「うるさい。耳が痛くなる…」

グーシーは落ち着いた声で国王に言い返すと

黒猫の耳をハサミでちぎった


猫は元の姿とはかけ離れたグロテスクな姿に変化していた


その姿を見ていたロイド執事は「悪魔だ…」と思わず声に出してしまった


クルト国王は猫の死体で遊ぶグーシーを見ながら、その場でうずくまり泣いた


「グーシー、いつかアナタには天罰が下るわよ」

クルト国王はグーシーを指さしながら言った


「その天罰、私を殺せるほど強い罰なのかな?」

グーシーは満遍の笑みで猫の首を引きちぎった

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