寝起きなんだけど!

あの会議の二日後の朝ニーラ大臣はマイル国城に釣具を持って遊びに来ていた


「アレン!今日は国王暇しているか?」

ニーラ大臣は二日前とは全く別人の顔色で機嫌が良さそうだった


「おはようございますニーラ大臣。国王は、まだ就寝中ですが…」

アレンシアがそう言うと


「まだ国王寝ているのか!それなら私が起こしてきてあげよう」

ニーラ大臣はアレンシアに許可を得ず城内に入って行った


「ニーラ大臣!流石に無断で城内には入らないで下さいよ」

アレンシアは大声で言った


「用件なら言ったじゃないか。釣りに行くんだよ」

ニーラ大臣はアレンシアに釣具を見せつけると国王の寝室に向かった


寝室に入るとベッドから転げ落ちた国王が寝ていた


「はぁ、だらしない」

ニーラ大臣は呆れた声で言う


「国王、国王!起きてくれ」

ニーラ大臣は国王の顔を釣竿でつつきながら起こす


「眠たいんだけど…」

国王は眠そうな小声で言いながら釣竿を払い除けた


「国王!もう6時なんだぞ?早くしないと魚が逃げてしまう!」

ニーラ大臣は釣竿で国王の後頭部をつつく


「だから、眠たいんだけど!」

国王は少し怒った声で釣竿を払い除けた


「国王!国王!早く起きてくれ!!!」

国王の耳元でニーラ大臣が叫ぶと


「もう!釣りなんて行きたくないんだけど!!」

国王は枕をニーラ大臣に投げつけた。

ニーラ大臣の顔面にぶつかった枕はそのままニーラ大臣の持ってきた釣竿に当たった


「イタタタタ」

ニーラ大臣が顔を庇っていると


バチっ


釣竿の折れる音がした


「ま、まさか!?」

ニーラ大臣は後ろを急いで振り返ると真っ二つに折れた釣竿が落ちていた


「こ、国王!なんてことしてくれたんだよォ!」

ニーラ大臣は国王の胸ぐらを掴みながら泣いていた


そこにアレンシアがやって来た


「ニーラ大臣!!何喧嘩しているんですか!ここは幼稚園じゃないんですよ!!」

アレンシアが急いで仲介に入ったがニーラ大臣の怒りは治まらなかった

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