クリム大臣なんだけど!

クリム大臣一人しか残っていない会議室に戻って来たアレンシアは

「クリム大臣、シュークリームどうぞ」

作った笑顔で丁寧にシュークリームを渡した

「ねぇアレン。私は戦争こそが最大の平和だと思うんだけどおかしいかしら?」

クリム大臣はシュークリームの袋を開けながら言った。


「なぜ人を殺す戦争こそが平和だと思ってるのですか?」

アレンシアは真剣な眼差しでクリム大臣に聞く

「だって戦争のない世界なんて刺激がないわ。ただ食べて寝る。それの繰り返し、家畜と同じよ?私は家畜になんてなりたくないから…」

クリム大臣はシュークリームをひと口食べた


「でも死んだら幸せな日々は無くなりますし、戦争によって家族や仲間が離れ離れになり家畜よりも辛い生活になりますよ?」

アレンシアは落ち着いた口調で言った。

「戦争で死ぬ人間に生きる資格なんてないわ。戦死する程の生命力なら産まれない方がマシよ」

クリム大臣は下を向きながら言った


「そんな考え方があるのですね…」

アレンシアはクリム大臣の平和の考え方、命の考え方を聞いて唖然としていた


「マイル国も少しは考え方変えるべきね。軍事力を取り入れないとホントに後悔する日が来るかもしれないわよ」

クリム大臣はそう言い残すと会議室から出て行った。


「軍事力かぁ…」

アレンシアは自室に戻りマーガレット国王から貰った軍事費マニュアルを読んでみることにした

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る