新年なんだけど!

「国王、あけましておめでとうございます」

アレンシアは綺麗な着物姿で国王に挨拶をした


「アレンが化粧してるなんて可笑しいんだけど」

国王はアレンシアの顔を見ながら大爆笑した


「国王、あけましておめでとうございます」

アレンシアはそう言いながら国王の足を踏んずけた


「お、おめでとうなんだけど…」

国王は痛みに耐えながら返事をした


そこに


「国王久しぶりだな!」

ニーラ大臣がやって来た


「久しぶりなんだけど」

国王はアレンシアに踏まれた足を撫でながら言った


「足がどうかしたのか?」

ニーラ大臣は不思議に思い聞いた


「な、なんでもなんだけど」

国王はニーラ大臣に何があったのか言わなかった


「ま、それは良いとして新年も宜しくな」

ニーラ大臣は国王に握手を求めた


「嫌なんだけど」

国王はニーラ大臣の手を払い除けた


「国王!何をするんですか。お隣の国の大臣に失礼ですよ」

アレンシアは急いでニーラ大臣に謝罪した


「ま、気にするな。国王も機嫌が悪かったのだろう」

ニーラ大臣はそう言っていたが、口からは涎を垂らし鼻息は荒くなっていた。


本当は手を払い除けられて嬉しかったのだろう


アレンシアはニーラ大臣の顔を見てドン引きしていた


「ニーラ、おみくじしたいんだけど」

国王はニーラ大臣の手を握りしめておみくじ広場へと向かった


おみくじはアレンシアと国王そしてニーラ大臣の3人で引くことにした


アレンシアは中吉

「微妙だなぁ…」とガッカリしていた


国王は大吉

「大吉なんだけど!」と満足そうだった


ニーラ大臣は大凶

「ざ、残念だなぁ」と内心喜んでいるのが丸わかりだった。


「ニーラ、大凶なんて最高なんだけど!」

国王はニーラ大臣を指さして笑った


「笑うなっ!」

ニーラ大臣は国王の口を無理やり塞ごうとしていた


その様子を見ながらアレンシアは今年も大変な年になりそうだなぁと苦笑いを浮かべた

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