年越しなんだけど!

マイル国では雪まつりも終わり、もうすぐ新年を迎えるということで大掃除をするなど城の中は大忙しだった。


そんな中、国王は城中にドミノを並べて遊んでいた


「国王、何をしているのですか?」

アレンシアは冷たい目線で聞く


「ドミノなんだけど」



「ドミノは分かりますよ。でも、なぜこの忙しい時間帯にドミノをするのですか?」

アレンシアはホウキの先っぽで国王を叩きながら聞く


「アレン!そんなにいっぺんに聞かれたらドミノに集中出来ないんだけど!!」


国王はドミノをアレンシアに投げつけた


「国王!ドミノは投げるものじゃないんですよ」


そう言うとアレンシアも国王に向かってドミノを投げつけた


「痛いんだけど!国王にそんな事していいはずないんだけど!!」

国王は大泣きした


そして泣いた時に左手が並べていたドミノの先頭を倒してしまった


「あ、、、」

2人は同時のタイミングで声を上げた


ドミノは無情にも倒れていき、国王が今日6時間頑張った成果は一瞬で無くなってしまった。


「国王、こういう事もありますよ」

アレンシアは国王の背中をさすりながら言った


「ないんだけど…。こういう事は普通ないんだけど!!」

国王は泣きながら自分の部屋へと走って行った


「国王…」

アレンシアは流石に可哀想に思った

そして国王の為にドミノで国王の絵を作る事にした


アレンシアは寝る間も惜しんでドミノを並べていった。

そして9時間を費やして遂に国王ドミノを作り上げた


「国王!ドミノ作り上げましたよ!!」

アレンシアは歓喜のあまり、寝ていた国王を叩き起こして自分が作ったドミノを見せた


すると国王は

「大人がドミノで興奮するなんて気持ち悪いんだけど…」

そう言って自分の部屋へと戻って行った


「そうですか…」

アレンシアは大人なのに一人で泣いてしまった。

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