雪まつりなんだけど!2

雪まつり当日、アレンシアは暖かい城を後にし会場へと向かう


「おはようございますアレンシア様」

ドリーはアレンシアより先に会場に到着していた


「早いですね。今日は1日よろしくお願いします」

アレンシアはドリーに頭を下げてお願いをした


「頭を上げてください。今日は一緒に頑張りましょうね!ところで国王様はどちらに?」

ドリーは不安そうに聞いてきた


「国王なら城のコタツの中で遊んでますよ」

アレンシアはため息をついた


ため息も白く見えるほどに寒い場所だった。

アレンシアとドリーの周囲には雪で出来た国王様や、恐竜、カバなど協調性のない雪のオブジェが展示されていた


そのオブジェをうっとりと見ていると


「よう!お久しぶりだなアレン」


アレンシアの足元から子供の声が聞こえた


「あ、ニーラ様ですか」

アレンシアはニーラを見つけると少しガッカリした


「なぜ私が声をかけたら嫌がるのだ!私は隣国の大臣だぞ?!」

ニーラは甲高い声で叫ぶ


「ニーラ様、今日は国民もいらっしゃいますし大人しくしていて下さいよ」

アレンシアは自分の頭を抑えた

少し頭痛がしていた


「あれ!?国王はどうした?風邪か?」

ニーラは不思議そうに聞いてきた


「国王なら城のコタツで寝ていますよ」

アレンシアは呆れながら答えた


「は!?国王は雪まつりも見ないで城に篭っているのか!?」

ニーラは少し怒っていた


「国王は寒がりですから」

アレンシアは雪を触りながら答えた


「我慢ならん!私は国王を呼び出してくる」

ニーラは走って城に向かった。

本当の理由は国王と雪まつりの花火を見たいのかもしれない


城に着いたニーラ大臣は城の扉を叩いて叫んだ


「おい!国王、一緒に雪まつり見ないか?」

ニーラ大臣が叫ぶと城の中から


「うるさいんだけど!ニーラは呼んでないんだけど!!」

国王の怒鳴り声が聞こえた


「おい!雪まつりは1年に1度の大イベントだぞ?今日だけは我慢して雪まつり見ないか?」

ニーラ大臣は少し優しい声で訴えた


すると城の扉が少し開いた


「やっと来てくれたか!国王一緒に、、、」

ニーラ大臣が言おうとした時、ニーラ大臣の目の前には国王の拳が向かってきた


国王は我慢出来ずにニーラ大臣を殴った


「早く帰って欲しいんだけど!国王はコタツに入っていたいんだけど!!」

そして

「ニーラは邪魔なんだけど!!!」


国王は目の前で倒れているニーラ大臣を蹴りながら叫んだ

そして城の扉を閉めた


「国王、いいパンチしてるじゃないか!気に入った、気に入ったぞ!」

ニーラ大臣は腫れ上がった顔で興奮していた



そのシーンを隠れて見ていたアレンシアは、今度ニーラ大臣を病院に連れていこう。そう思った

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