クリスマスなんだけど!

「国王、もうすぐクリスマスですね」

アレンシアは雪が降っている外を見ながら言った


「国王は夏がすきなんだけど」

国王は、ふてくされながら言った


「でも冬には良いことがありますよ」

アレンシアは笑顔で言った


「何?」

国王はワクワクしながら聞いた


「サンタさんの季節です」

アレンシアは両手を開きながら言った



「そんな外国人知らないんだけど」

国王は怒って言った



「知らないのですか?」

アレンシアは驚いて聞いた



「知らないんだけど!」

国王は泣きながら言った



「サンタさんとは、国王の好きな物を一つ持ってきてくれるのです」


アレンシアは絵を描きながら伝えた



「その赤い人が持ってくるの?」 

国王は目をキラキラさせながら聞いた



「そうです!それが来るのです」

アレンシアは笑顔で言った



「国王炊飯器がほしい!」

国王は大声で言った



「なぜ炊飯器なんです?」

アレンシアは不思議に思った



「炊飯器はかき氷を作れるって!」

国王が笑顔で言った



「誰に教えてもらったのですか?」

アレンシアは怒りながら聞いた



「ドリーなんだけど」




はぁ、、、

またドリーか。


アレンシアは頭を悩ませた

あのイタズラ好きはどうやって対処すればよいのだろうか。




そう悩んでいると


「やっぱりラジコンがいい!」

国王は、よだれを垂らしながら言った



よほど何かプレゼントされるのが嬉しいのだろう


喜んでいる国王の姿を見てアレンシアは少し癒された。




12月24日夜9時



「国王、プレゼントは決めましたか?」

アレンシアは聞いた



「しゃもじ!」

国王はピースマークで答えた



「しゃもじで何をするのですか?」

アレンシアは不思議に思った



「穴掘る!」

国王は、穴を掘るマネをした



「分かりました。サンタさんにそう伝えておきますね」

アレンシアは、そう言うと国王を寝かせた



「おやすみ、アレン」


そう言うと国王はすぐに眠りに落ちた



「はぁ、、、寝ているときは可愛いのに」

アレンシアは少し愚痴をこぼすと



すぐに部屋に戻りサンタの服に着替えた



そして、しゃもじを持って国王の枕元に向かう



こんな姿を他人に見られたら笑われるだろうな、、、

そう思いながら国王室に行く



国王の枕元に着くと一つの手紙がおいてあった。


その手紙に驚き、アレンシアはすぐに手紙を読んだ


そこには


「サンタさん、プレゼントは要りません。その代わり国民皆が笑顔になれる世界を下さい」


そう書いてあった。


アレンシアは、国王の成長に驚き泣いてしまった。


「この国は良い国になるだろうな」

そう言って部屋を出た



次の日


「アレン!プレゼントのしゃもじ来たんだけど!」

国王は笑顔でしゃもじを見せに来た



「あ、プレゼント来たんですね」

まだ起きたばかりのアレンシアは、眠い目をこすりながら返事をした



「わ!お化け」

国王は、すっぴんのアレンシアを見てそう言うと走って部屋を出ていった



「なんだって!?今日はアレンシアじゃない!!姉として怒ります」


そう言って部屋を出た



今日もマイル国は平和です

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る