昔なんだけど!前編
人類の存亡をかけた戦争が始まる一年前
各国の代表が集まる会議が開催された。
「私達人類は、忌々しき新人類に勝たなくてはいけません」
そう言ったのは、今回の戦争責任者マーガレットだ。
「その為にも皆様の力をお借りしたい」
マーガレットは頭を下げてお願いをした。
「よし、人類の為。マーガレット様の為にも!」
各国の代表は、すぐに戦争参戦を表明
「そのお話、今日決めないといけないのか?」
当時六歳の軍事大臣ニーラが言う
「明日の夜が最終決定ですわ」
マーガレットはニーラ大臣を睨みながら言った。
「そうか。それではニヒル国は保留とする」
そう言うとニーラ大臣は、会議場から出ていった
「わ、我が国も!保留とします」
アレンシアは、急いでそう言って会議場から逃げていった。
「あの2か国は何を考えているんだ、、、」
各国の代表は、ニヒル国とマイル国を非難した。
「ま、明日には参戦を表明するでしょう」
マーガレットは一言そう言うと、会議を終了とした。
翌日の朝
「アレンシア様、今回の戦争はどうなされるのですか?」
アレンシアの部下であるドリーが聞く
「やっぱり参戦を表明するべきなのかなぁ」
アレンシアは悩みながら言った。
なぜ悩んでいるのか、、、
それは、参戦を表明しなかった場合隣国からの貿易が中止される可能性が高いこと。
そして、我が国にまで連合国が攻めてくるかもしれない。
この二つが原因だった。
「参戦するのであれば国王はアレンシア様が引き受けるのですね?」
ドリーは一言そう言った。
我が国マイルは国王が不在だった。
なぜなら三年前、マーガレット国王に逆らった罪として
マイル国の国王は処刑された。
あの年から国王は不在となった
しかし、その国王の長女であるアレンシアが国王を引き継ぐのは当然だと誰もが思っていた。
「私は国王は嫌だなぁ」
アレンシアは髪の毛で遊びながら言った
「では戦争はどうするのですか?」
ドリーはため息をつきながら言った。
「ま、難しい話は止めてテレビでも見よう!」
アレンシアはテレビをつけてバラエティー番組に集中しだした。
「はぁ、、、」
ドリーは呆れてものが言えなかった。
こんなのが次期国王で良いのか、、、
そう思いながら部屋を出ると
「ドリー、おはようなんだけど!」
アレンシアの妹であるオランジュ様が眠い目をこすりながら言った。
「おはようございますオランジュ様」
ドリーは一言そう言った
「お姉ちゃんの部屋ってどこ?」
オランジュ様はそう聞いた
「右に200メートル進めば着きますよ」
ドリーはアレンシアのいる部屋を指して言った
「ありがとうなんだけど!」
オランジュ様はそういうと、アレンシア様の部屋に走っていった。
「はぁ、、、」
ドリーは、またもため息をついた。
この姉妹がこの国を支えていくなんて、、、
ドリーは心配で頭が痛くなった。
その夜
「そうだ!」
アレンシアは妹のオランジュを見て一つの事を思い付いた
「どしたの?お姉ちゃん」
オランジュは訳が分からない様子だった。
「ま、任せとけって!」
アレンシアは満面の笑みでピースサインをすると、マーガレットに電話をかけた
「もしもし、マーガレットですが、、、」
マーガレットは表明の返事だと分かっていたので
落ち着いた声だった。
「アレンシアです。今回の戦争、不参加を表明します」
アレンシアは大声でそう言った
「は!?なぜですの??マイル国は不参加を言える立場ではないはずよ!」
予想外の表明に驚いたマーガレットが怒りの声で言った。
「昔の事ではないですか。今は、言える立場ですよ」
アレンシアは笑いながら言った
「理由を教えてくれませんか?」
マーガレットは、怒りが収まらない様子だった
「我が国の国王が決まりまして、、、」
アレンシアは冷静に言った
「アナタでしょ?それは知ってますわ」
マーガレットは大声で言った
「いえ。妹のオランジュです」
アレンシアは笑いながら言った
「は!?あの妹はまだ四歳ですわよ?」
マーガレットは信じられない様子だった
「なので、立派な国王にしなくてはいけません。なので戦争には参加出来ません。」
アレンシアはそう言うと
「でも参戦しない場合、国は非難され厳しい状態になりますわよ」
マーガレットは一言そう言った
「困るのは妹のオランジュ国王です。私は何も困りません」
アレンシアは一言そう言った
「ひどい姉ね。」
マーガレットは笑いながらそう言った
「私はそういう人です」
アレンシアはそう言って電話を切った。
次の日の会議で発表されたのは
ニヒル国とマイル国が戦争に不参加だということだった。
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