第2話 幻の島

「でも、働くって具体的にどうすればいいんですか?そもそもここって何してるんですか?」

「あ?んなこともわかんねぇのか?捨てんぞ」

「口悪いな!来たばっかなんですから仕方ないじゃないですか!」

「ここは便利屋でござる。来たものは何でも引き受けるのが売りでござるよ」

「表裏関係なく依頼だけを遂行する。商売繁盛の秘訣だ、覚えとけ」

「表裏って犯罪もするってことですか!?そんなこと許されません!」

「残念だが許されてんだよ。ここはそういうところだ」

「まあそんな危ないことはさせないから大丈夫でござる」

「当面は部屋の掃除とかそういうのだなそんくらい出来るだろ?」

「いやいやバカにしすぎですよ」

「出来るのか!?」

「当たり前ですよ!どんだけバカにしてんだあんた!」

「さてと、そろそろ行くでござるよ。早く行かないと面倒なことになるでござる」

「お仕事ですか?それなら私も!」

「てめえはお留守番だ。ここから出るな」

「なんでですか!」

「大人の仕事だからだ」

「心配ご無用でござる。夕飯までには戻るでござる」

「本でも読んで待ってろ」


 そう行って2人はどこかへ行ってしまった


「本って・・・難しそうな本ばっかじゃない。えーっと」


『実証!幽霊屋敷!』

『戦慄の預言書 〜上〜』

『社会に騙されない100の法則』

『No.1理論 7つの方法 〜下〜』


「いや胡散臭い本ばっか!」


 あの人マジでヤバいやつじゃないか・・・。あれ?この本・・・


『日本という国について 〜幻の島〜』


 このタイトル・・・幻ってどういうことなの・・・


『幻の島日本。それは都市伝説など様々な噂が囁かれる島である。』


 いやいやここが日本でしょ。拗らせすぎて変になってんじゃないのこの本書いた人。アホらしっ、最後のページ見よ。


『このことから、私がたどりついた結論。それは、日本という島は存在しないということだ。』


 は?何言ってんの?じゃあここはどこっていうのよ・・・。こいつの出身地!


『ケイトウイン ミマサカ出身』


 ミマサカ・・・?聞いたことあるような・・・てか日本っぽいし。やっぱりこいつの頭が変なんだわ。


「掃除でもしよっと」



「お前が急かすからあいつに重要なこと話せなかったじゃねぇか」

「なんのことでござるか?」

「ミケのことだ。手伝わすなら話しとかねぇと。あともうその喋り方やめていいだろ」

「反対でござる」

「あぁそうかい。さて、帰るか」

「賛成でござる」

「その喋り方は?」

「反対でござる」

「賛成の反対は?」

「反対でござる。遊ぶなでござる」

「・・・さーせん」

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