まわる洗濯機【2】


 陽子と千紘と実花は、もともと三人のグループだった。


 女の子ってどうして、「グループ」にいないと透明人間になってしまうんだろう。


 私は、透明人間になりたくなかった。

 こんなにたくさんの人間がいる、教室と言う広い空間で、ひとりぼっちなんて、耐えられないと思った。



 陽子たち三人は、一年間三人で過ごす中で、「奇数」のめんどうくささを学んだ。

 私は、高校一年生の時は、二人のグループだった。二人のグループは「偶数」だ。とても平和。

 一年間は。


 一年過ぎると、クラス替えが待っている。

 うちの高校は、学年に7クラス。

 二人グループの平和は、簡単にやぶられる。


 クラス替えが行われると、二人グループの被害者が、ぽつんぽつんと新しいクラスに現れる。

 私もグループだった友達とクラスが分かれ「独り身」になった。

 新しいクラスにも「独り身」になった子が、見た感じ、五、六人はいた。



 陽子たち三人は、クラス替えがあっても三人一緒のままだった。

「奇数」のままだった。


 そこで、三人のうち誰が言いだしたか知らないけれど、「独り身」の私に白羽の矢を立てることにしたのだった。



「人数合わせ」なのは、はじめから分かっていた。

 それでも、クラスにひとりぼっちの寂しさより、人数合わせの寂しさの方がマシだと思った。

 どうせ、グループって言ったって、一人になりたくないという考えのもと、自分の為だけに集まってるものだ。

 みんながみんなを利用している。



 透明人間なんかにならないように。





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