第23話
Fairy lover 23
「高坂さん、よく来てくれるねぇ」
「うん」
「どうしたの?嬉しくないの?」
「嬉しいよ。すごく…。
優には感謝してるの。
いつも、"ありがとう”って思ってる。
けどね…」
「けど?」
「この頃、優の顔見ると"ありがとう”じゃなくて、"ごめんね”って思うの。
私に出会わなかったら、クタクタな体で病院に来なくてもいいのに
もっと美人な彼女とデートだって出来るのに
"ごめんなさい”って言葉を何度も心の中で繰り返すの
優にたくさんのものを与えてもらってばかりで」
「美空…」
「でもね、それ言っちゃうと、優、すぐ、怒るから、謝んなって
でも…」
「それは高坂さん怒るわよ」
「どうして?」
「だって、
美空は高坂さんの気持ちを感じてない?
愛されてることをわかるでしょ?
高坂さんは美空に会いたいから来てくれるんじゃないの?」
「……うん」
「美空は与えてもらってばかりと言うけど、一方通行の愛はないと思うよ。そういうのはきっと…続かない。
与えるものは形あるものばかりじゃない。
美空は自分で気付かないうちに高坂さんに何かを与えてるんだと思うよ。
それをしっかり、受け取ってくれてるから、彼はあなたを愛し続けてくれるんだと思う。……もっと自信持ちなさい」
「ママ…ありがとう」
「美空は謝らなくていいから、
何も悪いことしてないよ。
でも…でもね、どうしても彼に"ごめんね”って言いたいのなら…
ママが代わりに謝っといてあげるから。何度でも」
涙が溢れて止まらなかった
ママはそんな私の肩を抱いて何も言わずに頭を撫でてくれた
幼い頃、『美空よく頑張ったねぇ』って褒めてくれたママの温かい手を思い出して
余計涙が止まらなくなった
優…私とても幸せだよ
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