第19話

Fairy lover 19



抱きしめた温もりが本物だとわかった瞬間から


もっと、触れたくて


もっと、感じたくて



彼女の手を引っ張って、部屋に入った




「優…ここ…」



「うん、いつでも帰って来れるように、美空の部屋はあの時のまんまなんだ。

ほらっ、着替えもあるから…さ」



「ん?」



「いやっ、その衣装、すっげぇ、綺麗なんだけど…どうやって脱がしたらいいかわかんねぇから…その…

とりあえず、シャワー浴びて来たら?」



「クスクスッ、もう、優ー、

さっきから、何かジロジロ見てると思ったらそんなこと考えてたのー(笑)」



「そんな笑うなって」




私の着替えを押し付けて恥ずかしそうにリビングのソファにドンと座った



「フフフ、すぐ着替えてくるから、待っててね」




バスルームに入ってしばらくすると、

外から優の声がした




「美空?入っていい?」


「えー!ダメダメ」


「いいじゃん」


「ダメっっ‼」


「だって、俺もう脱いじゃったから、あー、さっみぃーなぁ」


「……もう強引なんだから(小声)」


「何か言ったぁ?入るよー?」



バシャン

湯船に飛び込んだ

彼の体をまともに見れなくて背中を向ける



「美空?何恥ずかしがってんの?

何回も見てるのにぃ?」



「あ、明るいもん」



「ふーん」




さっさと体を洗って湯船に入ってくる彼



「よいっしょ」



逃げようとする私を後ろから抱えるように捕まえられた



「キャッ」



「逃げんなよ、もう、何回もヤッてんじゃん」



「バカっ」



「みーくー?」




顔を覗きこむと涙目になってる



「ごめん、俺が…泣かしちゃった

悪かった…出よっか?」



立ち上がろうとすると前に回した腕をキュッと掴んだ彼女がポツリポツリと呟くように言った




「優…の腕に…くるまれてると…

嬉しくて

泣いちゃったんだよ」



「お前なぁ、この状況でそれ、ヤバイから」



「え?」




振り返った彼女の唇を強引に吸い付くように奪った




正面から抱きしめると美空は細い腕を俺の首に回して言った





「…大好き…何も……考えられなくして」



「何も…?」




「うん、優以外のことは何も…」



「りょーかい」





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