第16話
Fairy lover 16
出発当日
「美空、起きなさい。
飛行機10時だから」
「ママ、3時って言ってたよね?」
「変更になったのよ」
慌てて優に電話したけど繋がらない
lineに10時に発つことを入れたけど、既読にならない
「美空…本気でプリンシパルを目指すならそのことだけを考えなさい
ママが言いたいことはわかるわよね?」
「でも…優と…次はいつ会えるかわからないの」
「彼は有名な人なのよね?
調べさせてもらったわ。
なら…尚更ね。お互いプラスにはならない」
「プラスになるとか、ならないとか、そんなことで人を好きになったりしないよ。
私は彼が誰であろうと、好きなの」
「彼には感謝してる
彼に会う前の美空は私の指示通りにしか動かなかった表情のないロボットのようだった。
でも、変わった。
前を向いて自分の足でしっかり歩く美空になった。
……でもね、
プリンシパルを目指すなら、それなりの覚悟がいること、美空が一番わかってるんじゃない?」
何も言えなかった
休憩時間
スマホを開くと美空から
10時の飛行機って?
時計を見るともう時間は過ぎてた
何度も着信があった後
搭乗前に打ったと思われるlineがあった
【優…ごめんね
やっぱり、私は1人で歩いていく。
自分でそう決めたの
私は優と出会った頃、何にも出来ない何にも知らないちっぽけな人間だった。
優がたくさんのことを教えてくれた
ありがとう…人を愛することを教えてくれて…。
本当に本当にありがとう。
私、絶対プリンシパルになるから、見ててね。
私も優のことずっと見てるから】
…勝手に決めんなよ
青い空を見上げると1本の飛行機雲が真っ直ぐ伸びていった
きっと、彼女の夢へと続く道に違いない
美空…光を掴め!
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