第11話

Fairy lover 11


不安そうな表情で見上げる美空

輪郭を指先でなぞると泣きそうになる



「美空…怖い?」



首を大きく横に振る



「手…貸して」



差し出された手をしっかり握った



「ずっとこの手…離さないから。怖くないだろ?」



「うん……優?」



「どした?」




「……大好き」




そう言って微笑んだ彼女



額、瞼、頬、首筋に唇を這わせていく


時折、漏れる声を必死で抑えようとして力が入ってる



「…声、我慢しなくていいから」



「だって…変じゃない?」



「全然。俺はその声聞けるのが嬉しいんだよ」



「そう…なの?」




潤んだ瞳でじっと見つめられると俺まで余裕なくなる




握っていない方の手でシャツのボタンを外し、胸を指で刺激するとすぐに固くなるその部分



「やっ……んんっ…」



口に含んで丁寧に舌で転がすと更に大きな声があがり、身体をくねらせる





妖精の柔らかい小さな体は触れる度に美しい曲線を描く





「美空…すっげぇ、綺麗」



「恥ずか…しい」




目をそらして横を向くと、彼女の長い睫毛と白い首筋が際立った




我慢出来ず、そっと触れるてみると、もう準備は出来てた




「んんっ、ゆ…う…」



「大丈夫だから、俺の手しっかり握っとけ」



「ぅん」




しかめっ面してぐっと耐えてる美空がかわいそうで、一瞬、途中でやめようかと思ったけど……

俺のもんにしたいという思いが込み上げてきて、強く抱きしめて繋がった




「…………っ」



「…大丈夫?」




うんうんって何度も頷く彼女



握っていた手を離し、両手で顔を包んで額を合わせた





「美空…ずっと…ずっと……離さないから」





ゆっくり動き始めると、唇を噛んで涙目になる

そんな顔されたら…俺も限界



「やばっ、無理」






優の手があったかくて安心した


指が優しく嬉しかった


唇が愛しくて……泣きそうになった




触れられる度に思いが伝わった




彼の腕の中にいることが夢を見てるようだった






髪を撫でてくれる彼を見上げると太陽みたいに笑うから、何も言えなくなって胸に顔を埋めた





「優…大好き…」




囁くように言うとギューっと抱きしめてくれる



そして、

もう1つ伝えたい言葉は

声にならなかった





(ありがとう…)





そう心の中で言いながら彼の背中に手を伸ばした




いつか、ちゃんと伝えなきゃいけない

大切な言葉





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