第2話 悲

焦って学校に向かった4人は何とか滑り込みで間に合った。


(裕太)

「ぎりぎり間に合った〜」

と言い席に座り込んだ朝から走ったせいか身体に少し疲労を感じる

(優奈)

「遅刻しかけたの裕太のせいだからね」

と少し怒り気味に言った

(優奈)

「遅刻しかけたせいで汗かいちゃったよ」

少し顔を膨らませて言った

(裕太)

「ほんとにごめん」

僕は膨らんだ口を見て冗談半分で謝った

そんな周りから見たらバカップルのようなやり取りをしているとある人が僕に話しかけてきた

(???)

「ごめんちょっと今いいかな?」


(裕太)

「別にいいよ高橋さん」

この人は高橋さんいわゆる学年のマドンナみたいな人だ。僕とは同じ部活で同じクラスだ


(高橋)

「今日の部活なんだけど・・・」

と高橋さんは耳元で囁いた


(裕太)

「うんそれでいいと思うよ」

と笑顔で言った。


(裕太)

「それよりそろそろ授業が・・・」


(高橋)

「あっ、いけない」



(高橋)

「それじゃあ部活の時に会おうね。」

と言いながら手を振って走っていった


放課後・・・



(優奈)

「今日一緒に帰ろ~」


(裕太)

「朝言ってた通り今日は部活だからごめん」


(優奈)

「うん、わかった」

ニコニコ


(裕太)

「随分あっさりとだな」


(優奈)

「何言ってんのいつも聞き分けいいじゃん」

ニコニコ


(裕太)

(なんか企んでるな)


(優奈)

「まぁ、その聞き分けの良い優奈ちゃんに駅前にある人気のクレープおごってくれてもいいんだよ」


(裕太)

(それが目的か)


(裕太)

(今買わないと言うとこのあと駄々をこねるに決まってるからその時になったらとぼけてやろう)


(裕太)

「ほんじゃあ部活に行くからまた明日な」


(優奈)

「うん、また明日~」


裕太は一人になると又あの夢の事を考えはじめた

(裕太)

「でもあそこ1度どこかで行ったような気がするな~?」


と独り言をいいながら曲がろうとしたその瞬間

ゴツと音がし裕太は倒れ込んだ


(???)

「ごめん急いでて」


目を開けるとそこには高橋さんがいた


(裕太)

「いや、僕の方こそ考え事してて」


(裕太)

「あの部室は開いてるかな?」


(高橋)

「うん、もう奈和先輩と東條先輩が居るはずだから開いてると思うよ」


(裕太)

「そう、ありがとうそれじゃあ僕は部室に向かうよ」


僕達の部活は社会部基本的には歴史や地理など

社会に関わるのを研究する部活1年に1度僕達

社会部が考えた仮説を発表する大会に出場する

基本的な内容はこれだけだあとは先輩の紹介

まずは美茀奈和先輩大人しくて少しクールな先輩雰囲気は話かけにくそうここだけの話だが僕は奈和先輩が好きだあとなんだか僕によく絡んでくる東條希春先輩一応男子だが僕達には東條先輩と呼ばしている下の名前を言われるのが恥ずかしいらしい。


僕はそんな事を考えながら部室に向かった


部室には東條先輩と奈和先輩がいた。


(裕太)

「先輩こんにちは」


(東條)

「あぁ」


(奈和)

「・・・・・・・・・」


(裕太)

「あの・・・」


(東條)

「今部活中だぞ静かにしてろ」


(裕太)

「あ、すいま・・・」


(東條)

「何度言わせば気が済むんだ静かにしろって言ってるだろ!」


(???)

「まぁまぁいいじゃないか裕太君も一生懸命なんだから」


(裕太)

「青山先生今日もよろしくお願いします」


(青山)

「はいよろしく」


青山先生は優しくて基本的温厚な性格で若い先生だ


(青山)

「東條くん裕太くんも資料を職員室に運ぶのを手伝ってくれるかな?」


(東條)

「へいへい、はぁしゃーねーか」


(裕太)

「はいわかりました」


青山先生に連れられて職員室まで資料を運んで

3人で部室に戻ろうとしている所で高橋さんと出会った。


4人で部室をのぞくと何故かついていた電気が

消えている奈和先輩が帰ったのかと思った。


(青山)

「蛍光灯が盗まれたのかな?」

と青山先生がふざけていっていた

僕と高橋さんは苦笑いをした


(裕太)

「それならまだ犯人いるかも知れませんね」

と話にのってみた。

部室に入った瞬間笑い声が悲鳴へとすり変わった。そこにいたのは窃盗の犯人の方が可愛いと思えるものだった。

そこにいたのは腹を切り裂かれ身体を吊り上げられた奈和先輩の姿だった。

高橋さんは腰が抜けて目に涙を浮かべていた

東條先輩はしゃがみこみ声をあげて泣いていた

僕と青山先生は固まる事しかできなかった


僕の恋と奈和先輩の命は儚く散りここにあるのは凍りついた現場と奈和先輩の死体だけ


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