ひまぷーの徒然なるまま

ひまぷー

第1話最古の記憶

私こと「ひまぷー」初の記憶は、幼稚園の頃にさかのぼる。

園庭に、でっかいタイヤを半分地中に埋めている場所があった。

そこに私としゅうと君が居る。

何も話さず、二人してぼーっとしている。

それが、最古の記憶である。


ふとした拍子に思い出す。

その何気ないひと時を、穏やかな空間を。


私はぼっち属性で、はっきり言って友達がいなかった。

それを苦とも変とも思わなかった。

私にとって、一人でいることは普通だった。

(少なくとも小学校高学年くらいまでは)

その私が、幼稚園で唯一仲良しだったのが、多分、しゅうと君だった。


しゅうと君という名前は、少し成長してから、母から聞いた。

「しゅうと君、引っ越ししてしまったんよね」

そう、唯一だった彼は、幼稚園からいなくなったのだ。

だからいっしょに居た時間は本当に短かったはずなのに。


鮮明に思い出すのだ。

タイヤにもたれて、二人で過ごしたあの時間を。


それは、平和そのものだった。

悩みもなく、疲れも知らない頃の、小さな私の日常だった。

しゅうと君。

初めての記憶を私にくれてありがとう。

今、君が元気で幸せに過ごしていることを、切に願うよ。

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