エピローグ

星に祈り 月に願う 我らが源ちゃん永遠なれ

 エピローグ、でございます。『源ちゃんの恋』いかがでございましたでしょうか。

 永遠に地球を巡る月。そこから眺めて参りました。人と人とが愛し合うエピソードも数限りなく、今回のお話も降る星のごとくあるうちのひとつ、とある男性の恋物語でございます。


 眼前に浮かぶ青の地球ほし

 美貌の貴公子が麗しのプリンセスと繰り広げるラブストーリー

 千年語り継がれる雅で華やかなる恋物語


 めくるめく恋愛絵巻のはずが、めくってもめくっても源ちゃんの懲りない恋愛変遷史。

 そしてそんな主人を慕う愛すべき従者たちの徒然なる日常風景。

 格調高くお届けするつもりでございましたのに、いつの間にやら物語が変調してしまいましたわね。ごめんあそばせね。


 そうは言いましても

 パレス六条の女君プリンセスがた

 ヴィラ二条の女君フシギな方がた

 メゾン朝露の親友ベストフレンドのかた

 キャッスルキングダムのお妃飲み友達さま

 月にいらっしゃる憧れのあのかた

 光る君の恋絵巻に登場なされたすべての皆さま


 光る君の腹心、源ちゃんズや従者たち

 女君プリンセスを支えるSKJ48


 そして僭越ながらわたくしミタも


 よろしければ皆さまもご一緒に



 死ぬほどかどうかは

 それぞれ程度の差はありますけれど




 皆が光る君キミに恋してる






 幾重にも重なる綿のような雲

 刻一刻と彩りを変える空色

 見えてくるは大和の国

 まほろばの美し都


 人々の想いが

 愛し愛され

 生きとし生ける


 光に愛されたある男の物語

 その男を取り巻く者たちの物語

 男が、女が、探し求めた愛とその物語

 めくるめく恋絵巻は未来永劫語られむ

 

 



見上げ続ける永遠の憧れ

白日の弓張月は儚く浮かび

夜空の幾望月は切なさを滲ませ

想いを惑わすは幾層にも重なる雲

いつもそこにあるであろうそれは

必ずしも目に見えることなく

必ずしも誰をも照らすことなく





   それは空を渡る星の川

   純粋な想いは

   たとえ闇に阻まれようとも

   川の流れに隔たれようとも

   時満つらば空をも超えて

   語り継がれる伝説となる




 光は輝きを集め

 影を作り

 闇を照らす


 花は咲き誇り

 人を癒し

 恋を彩る


 歌は想いを綴り

 愛を語り

 心を潤す


 星に祈り 

 月に願う

 我らが源ちゃん永遠なれ






 あらぁ?


 とある日、オフィスパレスにて源ちゃんズが本日のスケジュールについて調整しているようですわね。

「今日さ、夕さまが花子さまのところにいらっしゃるんだ。殿にも知らせた方がいいかな?」

 弦三郎が夕さまの御文を見せています。

「そうだな、その方がいいかもな。また親子バトルか、久々に見られるな」

 『月刊宮中ニュース』夕さま結婚式特集号を眺めていた弦二郎が顔を上げてふっと笑います。花子さまをめぐる光る君と夕さまの見苦しい言い争いは源ちゃんズも楽しんでおります。


「ただいま――」

 管一は外出先から戻ってきたようですね。

「どこ行ってたんだよ?」

 管二が尋ねます。

「バー『朧月夜』の予約」

 ということは今夜の光る君のご予定でしょうね。


「そうなの? でも今日は姫子さまの誕生日会だぞ?」

 管三が会話に入ってきます。こちらはヴィレッジういんたーでのパーティーの準備に忙しそうです。

「誕生日会のあとにバーに行くつもりなんかな?」

 弦二郎はホワイトボードに光る君のご予定を時間軸で整理します。

「誕生日会のあとにお部屋にカクテル作りに来て欲しいって明子さまがおっしゃってるけど」

 弦四郎もういんたーのパーティーとそのあとの夜デートの支度をしておりますね。

 んん? と皆が首をかしげ始めます。

 ふうぅっとため息をつきながら管二が苦笑しています。

 

「今夜、紫子さまは殿とお月見ドライブなさりたいらしい。跳ね馬牛車の支度だな」

 弦一郎がやってきました。紫子さまのご意向を皆に伝えます。


「いやいやいや! ムリだ! 弦一郎タイヘンだ。ダブルブッキング、いやさトリプル? うんにゃ、クワトロなんとか? もう滅茶苦茶だ」

 さまーで親子バトル、バー朧月夜、お誕生日会、明子さまとデート、ホワイトボードがぐっちゃぐちゃですわね。弦二郎がマーカーを放り投げます。


「そう言えば今夜って満月?」

 弦三郎がカレンダーを見ながら冷静にもうひとつの行事を指摘します。

「やめてくれよ。例の満月儀式まであんのかよ」

 弦二郎はアタマを抱え込みます。


「作るか。タイムスケジュール」

 ホワイトボードの前に仁王立ちしている弦一郎がつぶやきます。

 一同、絶句、のようですわね。


「マジかよ」

「そんなん、物理的に可能か?」

「いつかのクリスマスみたいなパターン?」

「勘弁してくれよ」

「どれか間引けない?」

「どのプリンセスにお断りできるんだよ?」

「殿はさ、どこまで把握してんだ?」

「だからさぁ、殿はさぁ……」

「まあ、それは言うな」

「この難局を取り仕切ってこそ、俺たち源ちゃんズだ! やるぞ! こいっ!!」


 これぞ源ちゃんズクオリティですわね。

 やっぱり『げんこいっ!』は平安なり、なのでございます。





『げんこいっ! ~源氏ア・ラ・モード 恋クリーム仕立て ~』fin.おしまい



 ♬BGM

 星に願いを(Wish Upon a Star)  オルゴールバージョン


 ✨『げんこいっ!』トピックス

 ~ 名作も 恋クリームで ア・ラ・モード現代風

  甘くとろけて クスッと笑って ~


 〜 式部サマ 怒らないでね お願いよ

  こう見えてホント 尊敬ですのリスペクトなの


 by ミタ


 ここまでお付き合いくださいました皆さまに付録のプレゼントがございます。どうかご笑納くださいませね。

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