第6話

「それで何用だ人間」と魔王が訊いた

「俺は紅河だ。それにこいつは俺の所有物のカルとイラと自称神様カノだ」と紅河が自己紹介した

「所有物だと!やはり貴様も亜人をそういう扱いをしているのか」と魔王が怒って攻撃をしようとした

「違う。私は自分の意思で従っている。鎖もないし逃げる選択を与えてくれた」と紅河の前にカルが立つ

「そうなのか?嘘はついていないようだな」と魔王が攻撃をやめる

「聞きたいことがあるがいいか」と訊く

「なんだ」と魔王が返す

「お前たちは人間に何もしていないんだよな」と訊く

「しておらぬ。我々に人を襲う理由などないからな」と魔王が答えた

「そうか、俺が謝ってどうにかなる問題ではないが謝らせてもらいたい。この馬鹿や人間がやってきた事を謝りたい許して欲しい訳ではない。こいつらの行為が許される筈がないし同じ人間として俺は恥ずかしい。そして俺はお前らの敵ではないことは約束する。だからせめて俺だけでもいい信用してくれ」と土下座をした

「何故、お主は謝る?お主はアイツら勇者と同じ人間だろうが」と驚いていた

(勇者?そんな奴がいるのか。厄介だな)

「イラとカノは外に出ろ。いいな」と二人に紅河が言った

「何故だ。魔王がいるんだぞ倒すべきだ」とカノが魔王を指差した

「そうですよ。神様の言う通りです。魔王は悪い奴ですよ」とイラが続けて指差した

「何か。魔王や悪魔にやられた事があるのか?」と紅河が訊いた

「いいや、やられてない。だが」

「何も、でも」と二人が答えた

「なら、ここから失せろ。文句は後で俺がいくらでも訊いてやる。今回はお前らがいると邪魔になるからな。それと外にいる悪魔に攻撃されない限り攻撃をするなよ。もしも、した場合は一体殺すたびに手足を斬るからな」と紅河が二人に殺意を込めて睨んだ

二人は扉を開けて急いで魔王城の外に出た

「これでいいな。魔王それで話なんだが魔王?どうかしたか」と紅河が訊く

魔王は部屋の一番奥で震えていた

「お主、何者だ」と恐る恐る魔王が訊く

「ちょうどいい質問だな。俺はカノに呼ばれてこの世界に来た異世界人だ。魔法も一つ教えてもらってはいるが心配するな」と紅河が答えた

「イラとやらとカルは知っているのか」と魔王が戻ってきた

「私は知ってる。イラは知らないはず、さっき教えてもらった。その時にもう一つも訊いた」とカルが答えた

「もう一つそれはなんだ」と魔王が訊いた

「世界征服だ」と紅河が自信満々に答えた

「世界征服?なんのために」

「変えるためこの世界を」

「どう変える気だ」

「俺がこの世界を独裁する」

「それでは意味はないだろう」

「独裁者は確かに悪い方に行くが俺は俺が作るパーティと一緒に独裁する」

「例えばどんな感じに変えるんだ」

「まずは、奴隷制度の廃止と魔王城への進撃の取りやめだな」

「文句が出たらどうする」

「力と知恵で解決する。別に解決方法は一つでもないしな」

「それで我は何をすればいい」

「話が早くて助かる。この作戦に協力と俺のパーティに入ってくれ」

「それでいいのか?」

「それでいい。とりあえずはアルーダ国をどうするかだな。魔王付いて来てくれないか」

「どこに?」

「俺たちが泊まっている宿にとりあえずそこの人を魔王城に連れてきてから戦いを行う」

「戦いを行なって勝てるのか?」

「俺は殺し屋で暗殺者なんだよ。何国かを潰した事もある」

「成る程、わかった。協力しよう。我はゼイル・ローグだ」

「外神紅河だよろしく」と握手をした

その後魔王ことゼイルを連れて宿に戻る前に仕事を済ませギルドで報酬を受け取った。魔王と神様がいたから楽に終わった。まぁカノがゼイルに攻撃をしようとしたらカルと紅河が攻撃できる体制で構えていたから問題は起きなかった。帰る途中はずっと二人が紅河から離れていた。宿を戻りシルビナに説明をして魔王城に来るように言ったら「分かった」と答え準備が整い魔王城に行き、作戦を考えるために魔王の部屋に居る。カノを縛りイラは弱いので放置していた。

「声さえ出せれば魔王ごとき倒せる」とカノが【風の刃】風の刃を作りゼイルに向かって放った

【無への回帰】で飛んで来た風の刃を消した

「成る程、こう使えるのか」と紅河

「無への回帰って事はお前に使ったらどうなるかなぁカノ」と紅河がカノに近づく

「待って、それは駄目だから、もうやらないから許して」とカノが必死に謝っていた

「紅河、そいつ置いといて作戦考えよう」とカルが紅河の服の袖を引っ張った

「そうだな」

「作戦はどうするんだお主考えてあるのか?」とゼイルが訊いた

「あるが城の情報が欲しい」と答えた

「それなら僕は知っているぞ。書いた紙もある」とカノが紙を出した

「なら貸せ。貸さないと殴る」

「酷くないかな。貸すけどさぁ」とカノが紙を紅河に渡した

「これが地図か」と紅河が見た

城は中が三階に分かれていた。今更だが国王が国を支配している。(支配って言い方は何かおかしいが気にしない)国王の寝室が三階にあり応接間が一階にあり食事場が二階にあった

「成る程、これなら一階に8人程度で二階に四人程度で三階が扉の前に二人程度かな」と紅河が言った

「どうして分かる?」とカルが訊いた

「前に似たような場所があってね。これはその時の配置だよ」と紅河が答えた

「城を守っている中で厄介なやつはいるか?」とイラに訊いた

「剣の勇者がいるはずです」

「剣の勇者か。カル暗殺は出来るか?」と紅河がカルに訊く

「暗殺って何?」とカルが紅河に訊いた

(この世界では暗殺はないのか。なら)

「なら、剣の勇者と戦ってくれ。出来れば倒してもらいたいが時間を稼いでくれ」

「分かった。時間を稼ぐ出来そうなら倒す」

「我は何をすれば良い」とゼイルが訊いた

「ゼイルは魔王城を守ってもらいたい」

「分かったが暗殺とやらの手伝いはしなくて良いのか?」

「ああ、まだ協力している事を隠したい」

「分かった。で、決行はいつだ」とゼイルが訊いた

「一ヶ月後だ。それまでは魔物狩りをやる」と紅河が答えた

「そうか、では連携をしっかり出来るように頑張らないとな」とゼイルがカノとイラに言った

「魔王となんて連携を取りたくないね」

「魔王と同じパーティなんて嫌だ」と二人が文句を言っていた

「なら、パーティ抜けろ。貴様ら、それ以上言うと潰すぞ」と手を鳴らした

「なんで、魔王の味方するの人間なのに」とイラが訊いた

「人間が魔王の味方をしては駄目なのか?」と紅河が返した

「いや、そうじゃないけど」

「なら、いいじゃないか」

(ちなみにまだイラには世界征服の事と異世界人なのは話していない。これは、魔王の味方をして国を潰す作戦だと思っている)

「で、どうする。この作戦を知っているから無事て帰れると思うなよ」

「どうしろと」

「話さないと約束できるなら抜けても良いぞ。もし破ったら殺すけど」と警告した

「分かった。約束するよ」とイラが魔王城を出た

「じゃあ僕も」と言ってカノも出て行った

「良かったの?」とカルが訊いた

「構わん。俺は差別する人間が嫌いだからな。近いうちにこうなっていただろうよ」と答えた

「二人減ったけど作戦に支障をきたさないのか?」とゼイルが訊いた

「問題ない。情報を得られたし昔はこれを一人でやっていた」と紅河が答えた

その後二人とも各部屋に案内されて眠った。翌日の朝になって三人でギルドに向かって仕事を受けた〔大毒蜘蛛の討伐〕だった。別の奴かと思って聞いたら紅河たちが倒した個体だと言われた。多分カノの嫌がらせだろう。

「気をつけろよ。多分いじってあるからな」と紅河が二人に注意するように言った

大毒蜘蛛のいる場所に向かったらそこに前と一緒で居た。前と違うのはそこにカノが居た事だ。カノが何か魔法をかけている。

「カル、氷魔法で毒蜘蛛ごとカノを凍らせろ」と命じた

カルは命じられた通りに【コールドブレス】を放った。カノと毒蜘蛛が凍りついた

「よう、カノ何をしているんだ。嫌がらせにしてはちっとばかしやりすぎだろうが」と紅河がキレた

「この程度で神を倒せるとでも」と氷を溶かした

「魔王の味方をしたんだ。覚悟をしてよね。紅河」とカノが構えた

(ちっ、戦うのかめんどくさいなぁ)

「神様本気でかかって来いよ。俺はお前から貰った魔法を使わないで俺の本気を出すからよ」と紅河が構えた。







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