第3話
ギルドで受けた依頼書を持って森に来た。
一角獣なんて名前なんだから角が一つ生えている魔物なんだろう。
「見つけた。紅河あれがあり一角獣だよ」とイラが紅河を呼んだ
「どれどれ、あれが一角獣か」と紅河はイラのいる場所に行き見る
一角獣は犬に角が一本生えていた
「強いのか?あれ」と紅河は指を指した
「あれに、前3人組の旅人が戦いを挑んで死にました」と淡々と語った
「そうか、初戦にはうってつけだな。七頭だから三頭相手をしてくれ。勝てなそうなら時間をかせいでくれ」
「分かりました。御武運を」とイラが飛び出して三頭と戦っている
「残りは俺の相手だが手元に武器が無いな。硬そうではないから素手で何とかなるな」と紅河が構えた
二頭が襲って来たので一頭を叩いて倒してから二頭目を【暗技 首狩り】紅河が首を撫でるように触った。
一角獣は方向を変えて残っている二頭と挟み込もうとしたが首から血を流し倒れて生き絶えた。構わず残りの二頭が襲って来た。
【暗技 血雨】紅河が両手を素早く動かし二頭の首を掻っ切った。そして血が溢れて雨のように降り注いだ。そして最初に倒した奴にとどめを刺した
「さてと、初戦には少し物足りなかったな」と紅河がイラの方を見る
「はあぁ」と剣を振り一頭を斬った
「おっ、結構出来るじゃんアイツ」と感心していると残りの二頭の攻撃に気づいていないようだった。
「あれじゃあ死ぬな」と紅河がイラと一角獣の間に入りイラの剣を取り【剣技 血壊斬】横に二頭を斬った。二頭は真っ二つにならずに倒れた
「何をしたんですか?」とイラが訊いた
「殺し屋をしていた頃の技だよ」と紅河が血を払いながら答えた
(イラと俺だけじゃあ目的が果たせないな。もっと強い奴を仲間にしないとな。まぁ適当にゆっくりとやるか)
「なぁ、宿ってどこにあるんだ?報酬を山分けしても宿泊出来る分はあるよな」
「そうだね。何もしないでご飯付きで4日分だね」
「宿なら私が泊まる予定の場所があるけど来る?」とイラが訊いた
「そうか、なら行く」と答えた
都市に戻りギルドに行って報酬を受け取って宿に向かった
一方自称神様ことカノは
「さすがだね〜一角獣如きじゃあ物足りないか。前の世界で屍の山を作った言われていたけど本当だろうね。あんな力を持っているんだから、殺しの天才か?それとも天災か?どっちなんだろう。てか!こんな強いのにあれ渡して良かったのかな」と一人で騒がしくしていた
紅河の方に戻ります
「ここでも亜人の奴隷っているのか?」と紅河が訊いた
「居ますよ。都市の端に何人か売っているそうです。どうしてそんなとこを?」
「ちょっとな亜人ってのが気になってさ」と紅河が答えた
(下手に旅人などと手を組んでも裏切られる可能性があるから奴隷を買って仲間にした方が裏切られる危険が減るからな。明日辺り行くか)
「着きましたよ」とイラが言った。
宿場 潜と書いてあった。
「失礼します」とイラが入ったので紅河も一緒に入った
「予約していたイラ・ハーバルです」
「イラさんね。ようこそいらっしゃいました。そこの男性はどなたですか?」と女性が紅河を指差す
「外神紅河、イラと一緒にさっき仕事を受けた。俺もここに泊まっていいかな?」と紅河が訊いた
「よろしいですよ」と女性が中に案内をした
「何泊ですか」と二人に女性が訊いた
「出来るだけ、とりあえず、これ全部で」と報酬の金貨2枚を渡した
「これなら2週間程度ですね」と女性が答えた
「イラ、確かお前は4日って言ってなかったか」とイラに訊いた
「はい、都市で前に泊まった所がようだったので」とイラが答えた
「それ、騙されたってことだな。まぁ良いとりあえずここを拠点としたいがいいか。金は手に入り次第払っていくから」と紅河が訊いた
「えぇ、良いですよ。こんな場所にあるせいで人が来なかったので」と女性が自傷の笑みを浮かべていた
「私の名前はシルビナですよろしくお願いします」と女性が名乗った
「よろしく、それで早速だが奴隷を売っている場所はどこにあるか分かるか?」
「奴隷!何でそんな事を聞くんですか?」とシルビナが警戒をした
「イラと俺だけじゃあ目的を達成する為の戦力が足りないからな亜人ってのは単体だと人より強いんだろ」と説明をした
「成る程、そうですか。少し奥に行って道があるのでそこを左にずっと行くとありますよ」とシルビナが答えた
「そうか、ありがとう。ちょっと行ってくる」と紅河が外に出た
(良い人だな。亜人にも優しい人だ。あそこなら奴隷として買ってもそいつは気にいるだろう)
紅河が一人で言われた通りに歩いて行った
「ここか?」と古びた看板が立てられている場所についたのでとりあえず入った
「いらっしゃいませ」と奥から男が出てきた
「どんな奴隷を探しているんですか?」
「戦闘が出来る奴だ」と答えた
「それならこっちに来てください」と男が奥に入って行った。
ついて行くと強そうな亜人がかなりいた
「この辺ですかね。お気に召したら言ってください」と男が奥の扉の前で止まった
紅河は奴隷を見ていた
(確かに強そうだが力任せで戦うような奴らだけだな。亜人は買って少し経ったら逃げるんだろう。力が強いと手加減が出来ないから殺してしまう。できれば力の弱い奴がいいから女の奴にでもするかな)
「なぁ、こいつらは力が強いよな」と男に訊いた
「はい、力任せで戦うタイプですお気に召しませんでしたか?」
「男で力があまりない奴はいるか?」
「居ませんね。それなら女の亜人にしますか?」
「見せてもらえるか?」
「はい、ならこっちに来てください」と奥の扉を男が開いた
そこには女の亜人が居た。生きることを諦めた奴や抵抗を諦めた奴などが大半だった
(これじゃあ、目的が果たせないな。男の亜人にしてどうにか従わせるか)と考えていると一人の亜人を見つけた
その亜人は若く他の奴と違って諦めている目をしていなかった。
力はあまりなさそうだが爪や牙が鋭かった
薄汚れているがかなりの美人でもある
「こいつはいくらだ」と紅河が訊いた
「こいつはあまりオススメできません」と男が言った
「どうしてだ?」と紅河が質問をした
(オススメ出来ないなら何で商品として置いているんだよ)と心の中で叫んだ
「人が嫌いなんですよ。他の奴は大人しいですがこいつだけは客に攻撃をしようとするんですよ」
(奴隷として売られて人が嫌いじゃない奴なんているんか?)
「そうなのか。こいつは何の種族だ?」と訊いた
「人狼種の中でレアの戦狼種です」と男が答えた
「普通の人狼と何が違うんだ」
「普通の人狼種より牙や爪が鋭く素早いです」
「それなら、こいつでいいや。いくらだ」
「返品は受け付けないですよ。そうですね。こいつは最近入荷したんですが問題が多く扱いに困っていたので金貨2枚でどうでしょうか?」と男が警告して訊いてきた
(宿泊費2週間分か。ならいいな)と金貨を2枚出した。
この金貨はちゃっかり絡んできた奴を潰して取ったものだ
「では、鎖です。お買い上げありがとうございます」と鎖を渡された
店を出て少し経ってから訊いた
「お前はなんて名前だ?」
「カル」と短く名乗った
「カルか。お前は売られるまで何をして居た?」
「特に何も、男の相手をしろと言われたらその相手を爪を引っ掻いたりしただけ」
「そうか、俺はお前の主になった外神紅河だよろしく」と紅河が言った
「なんで私なんだ。他にいいのがいっぱい居ただろ。お前の相手をする気は無いからな」とカルが警戒していた
「そうさせる気は無いし戦闘で戦力が必要だったからだ。力任せの戦いは好きじゃなくてな。男の亜人はやめた」と答えて鎖を外した
「なんで鎖を外した?」と訊いてきた
「別に逃げても構わない。行く場所があるならな」と答えて歩を進める
(大人しく付いてくるし質問にはしっかりと返す。こいつはかなりいい買い物をした)
「なぁ、紅河金貨なんてどうやって手に入れた。魔物狩りをしようにもアンタは弱そうだ」とカルが訊いた
「ちょっと絡まれてな。その時に奪ったんだよ。それに俺はある程度戦えるぞ」
「そうか、ならいい」
「後俺が主だから俺の言うことを聞けそれ以外は必要なこと以外は聞かなくていいし大抵は俺が自分で言うから他の奴が俺の名を出しても親しい人以外を信用するな。いいな」
「分かった」
その後宿に到着してカルの分を紅河の2週間を減らして1週間にする事で泊まる事が出来た
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