第2話
「道が分からん」と紅河が呟いた
早速だが詰んだ。現在地 森の入り口にいる。どこの森だとか方角とか全く分からない。
携帯は異世界じゃあ圏外だろうしそもそも俺は携帯を持っていない
「カノの奴に聞いとけば良かった」とうなだれていた
「どこか近くに人がいれば良いんだが」と紅河は周りを見渡す
「居ないよな。都合よく」と紅河は諦めとりあえず歩き始めた
「人がいる。とりあえず、これで助かった」と歩いて一時間半くらいで人に会った
人に近づいて「すいません。道が分からず迷っているのですがこの辺で都市のような場所はありませんか」と訊いた
紅河に話しかけられた人は振り返った。
剣を腰に携えた黒髪の少女だった
「迷った?そうですか。それなら仕事を探しに行くのでついて来ますか?」と少女が答えた
「あぁ、ちょうど仕事を探していたんだと答えた
「そうですか。ならついてきてください」と少女が前を歩いたのでついて行った
「何で、迷っていたんですか?」と少女に訊かれた
(異世界から来たって言っても信用されないだろうから)と考え
「遠くの方から来たのだが地図を無くしてしまい」と答えた
「地図を無くしたんですか。それは大変ですね」と少女が答えた
「あぁ、だからここがどこか分からないんだ」
「そうですか。名前と何をしていたんですか?」と少女が訊いた
「外神紅河だ。それとこことは全然違う所で殺し屋って職業をやっていた」と答えた
(嘘をついてもこの事はすぐにバレる危険があるからな。先に言って都市までは案内してもらったから別れるとしよう)
「殺し屋?人を殺す仕事ですか?」と少女が訊いてきた
「あぁ、依頼を受けて目標を殺して報酬をもらう仕事だ」
「そうですか。殺し屋ですか」と少女が考えている
「とりあえず、私はイラです。よろしくお願いします」
「あぁ、よろしく」
「人殺しと言って恐れないんだな」
「まぁ、戦争が起きたりしているのでそこまでは」とイラが答えた
「それなら、この世界のこと教えてくれないか?田舎であまり外の情報が入ってこないんだ」と紅河が訊いた
今は情報が少ない。出来るだけ情報を得ないこの世界で生きるのは難しいだろう。
「良いですよ」とイラが答えた
その後は、イラにこの世界のことを聴いた。この世界には人と亜人と呼ばれる者やエルフや悪魔が存在するそうだ。悪魔は魔王が率いているらしく魔王城が近くにあるそうだ。
魔法は低級魔法であれば使える者は多いが中級魔法以上は限られているらしい。亜人は魔法に特化してたりするようだ
仕事は大抵魔物狩りだったりお使いだったりするようだ。魔物狩りの方が稼げるが魔物は弱いのでも人が3人程度必要らしいからお使いなどを大抵行なうようだ
国は四つあり北がアルーダ国南がセイダ国東がオルト国西がクロモ国だそうだ今向かっているのは北のアルーダ国らしい。
エルフは伝承では人より長く生きて羽が生えているそうだ。亜人は獣人など人の姿をしているが人ではない者たちだそうだ。
とりあえずイラが言うには人は亜人より上で亜人は奴隷にされたりしているらしい
(エルフや悪魔には勝てないので亜人を奴隷にしたりして上に居ようとしているのか。くだらんな。この世界でも存在しているのか)
とりあえず必要最低限の情報を得たな
「イラは何の仕事をする気だ?」と紅河が訊いた
「とりあえずお使いですかね。まだ戦えないので」とイラが苦虫を噛み潰したように顔を歪めて答えた
「そうか」
「まさか、魔物狩りをしようなんて思っていないですよね!」とイラが紅河に訊いた
「魔物狩りをするつもりだがどうかしたのか?お前は、お使いをやればいい。俺は試したい事があるからな」と答えた
「一人では勝てません」
「どうだろうな。人殺しの技が魔物に通じれば殺せる」
「そうですか」
「都市に着いたようだな。じゃあな」と紅河が進もうとしたら「待ってください」と止められた
「どうした?お前には感謝しているが受ける仕事が違うからな。ここで別れるだろう」
「何で貴方がそこまでの自信があるか分かりませんがそれなら、付いて行ってよろしいですか?」とイラが訊いた
「構わないが」と紅河が答えた
(コイツは情報をくれたり案内をしてくれたからな。無下にはできないし戦力が増えるのは有難い)
「本当に?」
「あぁ、仕事受ける場所案内してくれ。道分からんからそれと敬語をやめろ。俺には敬語を使われる権利はないからな」
「分かった。じゃあ付いてきてギルドに案内するよ」とイラが上機嫌に歩いていく
仕事を探しにギルドに入り魔物狩りの仕事を探していると〔一角獣七頭の討伐〕と書かれた依頼書があった
「これでいいか?比較的簡単そうなのだが」とイラに訊いた
「それなら多分大丈夫です。では受けましょう」
紅河たちは仕事を受けた
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