第4話
俺はかすかに思い当たる場所がいくつかあった。昔から舞といたところだ。あいつとは昔からそばにいた。そこに俺の記憶をはっきりとさせてくれる何かがあるにちがいない。
俺はまず図書館へと足を運んだ。この図書館は昔から舞とよく勉強をしていた場所だ。しかし、いつも座っている席はすでにうまっていて、同い年くらいの女の子が座っていた。
「いつもここの席は空いているはずなんだが珍しいな。」
「そうだね、いつもここにくるのはわたしと秀哉とみっちゃんくらいだもんね。」
「そういえば美由紀とは小学校以来会ってないな。」
美由紀は小学校のときよく俺たちと遊んでいた。しかし、突然転校することになり、理由も告げることなくいってしまった。
「美由紀さんが転校したあと連絡などはとっていないんですか?」
「うん、どこの学校に転校したのかも教えてくれなくて連絡がまったくとれなかったの。」
「どうして何も話してくれなかったんだろうか。」
“もうしばらくいたしますと閉館の時間となります。みなさま、お忘れもののないようおかえりください。”
図書館の閉館のアナウンスが流れた。
「あ、もうこんな時間!秀哉、わたしたちもう帰らなきゃ。じゃあね!」
「ああ、またな。」
舞たちが帰り、俺も帰ることにした。
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