01_03:ウォーターフォール系統の亜種

 さて、ウォーターフォール・モデルについてざっくり説明しました。


 でも『こうじゃねえんだよなー』と言う人もいるでしょう。

 01_02でも書いたように『とりあえず書いちゃう』人です。


 そういう人はウォーターフォール・モデルの亜種として、2つのフレームワークを使用している可能性があります。


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 1.プロトタイプ・モデル

 2.スパイラル・モデル

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 ではざっくり説明していきましょう。


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【1.プロトタイプ・モデル】


 ある程度の要件定義と設計をした段階で試作製品プロトタイプを作成します。

 その後確認と評価を行い、足りない点や必要な機能をリストアップ。


 さらにプロトタイプを作成し、確認・評価を行う。


 これを繰り返すことで最終的な成果物を作成し、運用(≒脱稿)するのが基本的な仕組みです。


 未完成を前提に、省力化したウォーターフォールを繰り返すと言う形ですね。モノカキ的に言うと『』でしょう。


 実物が早い段階でカタチになるため、終盤で『変更したい』等という要望に答えやすいのが特徴です。



 ただし一度やればわかりますが、評価ポイントを絞らないと非常に負荷が高くなります。



 例えば私は4,000字の文章を推敲するにあたり、一通りさらうのに1時間かかります。

 つまりポイントを抑えない場合、プロトタイプを作成するたびにするわけです。


 例では4,000字ですが、倍の8,000文字になったら?

 あるいは1冊分の分量とされる10万文字になっては?


 プロトタイプを作成するたびに全て推敲していては、とても追いつけませんしやってられません。筆者はです。


 個人的には『とりま書く』は試作短編トライアル以外では採用しないことをオススメします。



【2.スパイラル・モデル】


 プロトタイプのような開発単位について、試作ではなく完成まで持っていくモデルとなります。


 ある特定の区切り(1話や1節、序破急のそれぞれのタイミング)で区切って開発を進めます。


 区切り方と同時にプロトタイプ的に進めるか、ウォーターフォール的に進めるかの2パターンです。



 メリットは開発(≒執筆)する範囲が小さくなるため、成果物を早く、かつ高品質に展開できる点です。

 例えば10万文字中の1万文字で分割執筆する様を想像してください。


 デメリットは開発初期段階で全体が見えないことです。

 つまり分割した最初の1万文字の時点で、8万文字以降の展開が見えづらい。

 最終的な文字数見積もりもしづらいでしょう。


 また分割して作成するため、後半に入ってから大幅修正が入ると負荷が非常に高いです。


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 というわけでウォーターフォール・モデル系統の2形態のご紹介でした。

 現在取り組まれている殆どの執筆者の方は、いずれかの手法で進めているモノと思います。



 この時点で『おや?』と疑問に思われた方は非常に正しい。

 そう、肝心の『スクラム』という単語が一切出てきていないのです。


 では次からSWの基底となるスクラム、そのジャンルであるAjailあじゃいるの概要について説明します。

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