第7話 彼は晒した


 彼は晒した。


 崩れゆく地球を。

 人間の愚かさと流れる血を。

 失った恋人に対する憎悪を。

 そして特大の自己嫌悪を。

 彼は怒った。

 それは真実でもあった。


 しかし、周りの人間は喜びを顔に浮かべ、手を叩いた。

 彼は更に怒りをぶつけた。

 拍手は鳴り止まなかった。


 その時、誰かが言った。


「まるで本物だ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る