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戻ってきた青年の顔が晴れやかであった事。青年の手に握られた剣には、確かに醜い血が付着していた事。
其れが何を意味するのかは、青年を迎えた者全員に明らかだった。
青年が帰宅してからはこぞって祭りの様な騒ぎが行われ、青年は勇者と、英雄と相成った。
王は「娘と結婚して欲しい」と青年に告げ、王の娘はそんな父親の言葉に頬を赤らめつつも青年へと笑いかけた。青年も長年の悲願が果たされた嬉しさ、平和が訪れた喜びに加え、美しい娘からの微笑みに顔を赤らめつつも少しぎこちない微笑みで応じる。
そうした若者2人の様子を微笑ましげに王と王妃は見つめ、式の日取りを話し始めた。
青年は何年後かに王になり、美しい王女、そして国民と手を取り合って幸せで豊かな国を作り上げた。
もう子供の寝物語に魔王の話をする必要もない。魔王の脅威さえ忘れてしまう人間が出る程に、国は幸せに包まれたのだ。
めでたし めでたし。
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