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オレは無知なガキだった。
あるいは、そこが其の時のオレも持ち合わせていた、無邪気で子供らしい純粋な部分だったのかもしれない。
両親に好かれたい。両親に褒めてもらいたい。
そんな純粋な思いがあって、オレは頑張った。
何かをすれば、凄い事をすれば、両親は褒めてくれる。オレの事を好きでいてくれる。
そんな風に愚直なまで純粋に信じ込んで、頑張って、頑張って、頑張っていた。
其れがますます両親を遠ざけるだけの行為だったなんて、2歳児にどうして考え付こう。
まさか自分が生まれた其の瞬間から、両親が自分の事を怖がっていたなんて、どうして考えられよう。
もしも考えられたところで、そう簡単に認められる事じゃない。否定して、否定して、何とか両親の気を惹こうと躍起になるのだ。逆効果なのに。
「両親がどう思ってるかなんて知らずに、オレは逆効果の努力を続けてきた。両親に認めてもらいたかったんだよね。でも
結果両親はオレを愛してくれる事はなかった。
それでも大人達の中にはオレを恐れ、「早く殺せ!」と声高に叫ぶ人間も居たのは、幸か不幸か出来の良いらしい頭は忘れる事なく記憶している。
オレの記憶違いでなければ、其の声はそれなりに大きく、多かった筈だ。
だけど彼等はそうした声を無視して、少なくともオレが1人で雨風を凌いで、何とか日々を過ごしていけるようになるだけの年齢迄、オレを捨てずにいたのは彼等なりのやさしさ、オレが得た最初で最後の愛だったのかもしれない。
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