羚羊(カモシカ)は鹿ではありません

 日本には、スラリ、とした長い脚を「羚羊カモシカのような足」という言い回しがあります。


 実はこれ、誤解から生まれた言葉のようです。英語圏での「ガゼルのような足」、を和訳した【羚羊レイヨウ】のような足、から同じ漢字で羚羊カモシカと誤解されて「カモシカのような足」と間違って覚えてしまったらしい。


 でも、実はある意味で、間違っていない。間違っているようでいて、実はつながりがあったりする。


 日本固有種の羚羊カモシカ、名前にシカと付きますが、実はシカとは関係がないそうな。


 カモシカは実は、【牛】の仲間なのだそうです。


 世界には様々な動物がおり、我々人間の常識では計り知れない。

 パッと見た目、鹿にそっくりな動物は数多くいます。【ガゼル】やインパラなど、よく飛び、跳ね回る姿は【鹿】に似た見た目ではありますが、【牛】の仲間なのだそうな。

 逆に、牛に似た見た目の動物も数多く? いるのかも。トナカイはずんぐりむっくりとしていて、どことなく牛を思わせる風貌がありますが、トナカイは【鹿】の仲間なのだそうな。


 そんな見た目の似た動物たちを、簡単に分類する方法があるそうです。


 その見分け方が、角の形の違いにあるそうな。


 ウシの仲間は【一本角】。角の根元から先端までが捻子ネジ曲がっていようと一筆一文字な角。

 シカの仲間は【枝角】。角が枝分かれをしていて、木の枝の様に分岐状の角。


 角の枝分かれの有無で、鹿か牛かの区別が付くのだそうな。



 ですが、カモシカのような足。と言われ、悪口と捉えるか、誉め言葉と捉えるかは、その時その人それぞれ。

 羚羊カモシカのような足=しっかりとした健康的な足ですね。と捉えるべきかなと。

 昨今見かけることもある、今にも折れそうなほど細い手足よりは、健康的であるということの方が大事かな。


 もし、鴨嘴ダックビル=カモノハシのような足。と言われたら・・・その足には、もしかしたら・・・毒のある蹴爪が・・・あるのかも?

 そんな事を言う相手は、思いっきり蹴ってしまってもいいかもね?

 たまにそんなカモノハシ風に見える格好の人を見かけるが、心の中で思うだけにしておきましょう。過ぎた口は災いを齎してしまいますので。



 大根足は、太い脚を指す悪口と捉えられがちですが、実は誉め言葉。

 健康的で働き者の証なのだそうな。健康的だからこそ、汚れても拭えばその溌剌とした足の美しさが際立つのだそうな。

 しっかりと地面を踏みしめ、足が泥だらけになるのも厭わずによく働く女性の足を褒め称える言葉のはずが、いつの間にか太い脚を指す【蔑称】にされていたのだとか。


「家の嚊/嬶かかあの足は大根足だ」というのが、奥さん自慢の一言だったとか。



 この世は不思議な言葉で満ち溢れているので、それを知るのは面白いからこそ、止められない。

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