お酒が勝手に減る理由
お酒って、割と長持ちする、日持ちするかと思われがちだが、アルコールなので蒸散し減り易い。あるいは、アルコールの分解が進んでしまい、別のものへと変化してしまう事もある。と事実を言ってしまうとつまらない。
減らない様にしたお酒という物も有るには在ります
減らさない方法として、ガラス瓶に瓶詰された物を熔かしたガラスで蓋をして完全密閉してしまうといった方法。
これで先ず、中が減る量は【ほぼゼロ】に出来るのですが、そんなお酒にも寿命は存在します。
ワインの場合、木製の樽で貯蔵されていれば余り長持ちしません。樽で徐々に酸化が進んでしまうので、最終的にはワイン
ガラス瓶でコルク栓の場合、徹底した温度管理でも30年位までなら、確実に品質保持は可能らしい。それより先となると、もっと厳しくなっていくそうです。
大体そこまで経つ前に呑まれたり、何らかの事情で手放されたりしてそれ以上のものは動産=投機目的や収集目的で集められたり。一か所に留まるものはあるかなしか、或いは忘れ去られて放置されていて、どう管理されたのかはさっぱりなモノが多いかと。
100年物のワインなども有る様ですが、ある意味、動産=投機目的で売買されるので、味は二の次三の次。お金のある
樽入りのお酒は、ワインのほかには、シェリー酒や蒸留酒などがあります。
シェリー酒などは樽で保管され、10年位は寝かしておかれたり。
そのシェリー酒、10樽仕込まれたら翌年は9樽? 翌々年には8.5樽? 三年経つ頃には徐々に減り続けるそうです。最終的には一樽に入ってしまうほどにまで、目減りしてしまう。
それはナゼナノカ。誰かが盗み呑みしたりしているのではなく、天使がやって来てコッソリと味見していくと信じられていたり。
実際には何とも夢の無い話となりますが、木の樽に吸われて蒸散しているだけ。ただ、そのゆっくりとした減り方こそ、天使がやって来た証と信じた方が夢がある。
そんな天使が味見したお酒は、最初に仕込んだ頃のものとは別物といえる出来になるのだそうな。
なので、どんな物にも寿命と限度はあり、永劫不滅なモノは滅多にお目にはかかれない。
近年では、その変容を減産させずに加速させる方法が求められるとか。
その方法の一つとして、海底に沈める方法。
お酒の味を司る成分が、海の波間を揺蕩うその波動により突き崩されることで、本来の十倍近い時間が経過された状態が再現されるのだとか。
ちなみに、日本酒は余り年単位の長期の保存には向いていない。おおむね、作られてから一年ほどで飲まれることが望ましい。
出来上がり直後、間をおいて落ち着かせてから、新酒が出来上がる頃と、その都度お酒の顔が変わる、その変化を楽しめる人こそが、通というものらしい。
私にはそこまではわかりません。けれど、お酒は楽しく嗜める方が最も望ましいかなと。
日本酒を数年間寝かせた物という物も在るには有るが、ここ最近の冷蔵技術があってこそ。古酒ともなると、焼酎などのアルコールの度数の高いものでないと、長期の保存には向いていない。
それでも、大体は徐々に減って、天使に召されていく。
なので、何百年物のお酒を物語で出すのであれば、余程のトンデモ酒でないと叩かれます。
そして、そのトンデモ酒があったとして、価値は限りなく低く見積もられるかなと。
変質変化しない、永劫不滅の均一品質では、いつでもどこでも手に入れられるという物は、空気のように在って無きモノを売り買いするようなもの。
形あるものは、何時かは儚く無くなってしまうからこそ、その希少性が価値を生み出す可能性を秘めている。
文化財的な価値に囚われるか、呑みもしないモノに価値を見いだせるかは、また別の問題。
そして、
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