有って無い文化/似て非なる料理 ピザ/ピデ

 ピザ、それはイタリアを代表する料理の一つ。

 ピデ、それはトルコを代表する料理の一つ。


 ピザは誰しもが目にし耳にし口にしたことが在ると思われる。アレルギーなどで食べられないといった理由があれば別だろう。

 ピデは・・・知らない人のほうが多いと思われる。乳製品アレルギーがあっても食べられる・・・かも? 学校給食では、【ピザ】トーストのアレルギー(乳)対応として【ピデ】トーストが提供されている。でも、そのことを割と誰も知らない?


 ちなみに、ピザトーストの発祥は【日本】独自の文化なのだそうな。


ピザとピデ。

 その違いは、チーズの有無。

 ピザはピザ生地の上に様々な具材とチーズを掛けて焼き上げたもの。

 ピデは薄く伸ばしたパン生地を丸形や舟形や魚風に編んだりして挽肉(羊)や野菜を載せてそのまま焼き上げたもの。いわゆる惣菜パン。


 もともとは海を隔てているとはいえ、どちらも比較的近いが異なる文化圏のため、そういった違いがでたのだろう。



 ラク、それはイスラム圏で唯一合法的に作られている酒。イスラム教では飲酒が禁じられているものの、トルコに限っては伝統文化的な側面から合法となっている地酒。

 非常に甘口で、香りが強い。度数も40%近い。独特の癖も強い。


 ウゾ/ウーゾ、トルコのお隣のギリシャで作られている地酒。

 こちらもトルコの地酒のラクと非常によく似ている。非常に甘口であり、香りが強く、無色透明であるのに水で割ると白濁する性質を持つ。

 イタリアにもアニスという似たようなお酒があったので、多分似ているのではないだろうか?


共通点

 アニスの甘い香り付け。

 なぜ無色透明だったのに、水が入っただけで白濁するのか?


 その理由は、お酒の中に含まれる糖分の含有率が高いため、水で割られた際に糖分が結晶化するという話を聞いたことが在る。


 白濁する酒は他にも存在する。

 ジャガイモを主原料とする北欧の地酒、アクアビッツもまた水で割ると白濁するそうな。



余談 トルコ料理とイタリア料理の決定的な違い。

 宗教上での禁忌とかではなく、決定的な違いが実は在る。

 イタリア料理の代表として、パスタ=麺料理が挙げられる・・・はず。

 だが、トルコ料理には、麺料理という文化はないらしい。


 なぜ、比較的近くにある文化圏同士なのに麺料理が存在しないのか? 今ではトルコにもラーメン屋があったりするのだが、【古来】より伝わるトルコ料理には麺料理は無いらしい。


 明確な理由は知らないが、地質的な理由からと【私は】推測してみる。

 麺料理に必要不可欠なモノ。それは小麦である。


 トルコは中東随一の穀倉地帯であり、ヨーロッパにも輸出するほど小麦はふんだんに穫れる。むしろ、トルコに行ったらパンを食べないともったいないくらいに美味しいし、手軽に買える。

 それなのに、麺料理は存在しない。小麦が麺に適していないから? 実は、そうではない。


 麺料理に必要不可欠な唯一の物、それは大量の【真水】。


 麺は、大量の湯の中で湯がいて踊らせて、やっと麺となる。麺麭パンは少量の水があれば後は焼くことで作り上げられる。

 トルコでは、気候は小麦栽培に適した乾燥した季節が多く、水は地質的に石灰質ミネラルを多分に含むことから、飲料に適した水は必然的にミネラルを含む前の雨水に限られてしまう。そんな所で大量の真水を文字通り湯水のごとく使う文化は嫌厭けんえんされて、定着しなかったのだろう。と推測してみている。

 例え、麺料理があったとしても、それを大ぴらにすることは当時の常識的に憚られるために衰退して失伝したのだと思われる。


 私の周りには答えられそうな人がいないので、【私の】勝手な憶測です。


 考察の参考にしたものとしては、うどん県である香川県。あちらも真水が少なく苦労しているとか。



 ちなみに、日本で言うスパゲッティ・ミートソースは、イタリアでは【ボロネーゼ】。料理としては全く別の、似て非なるものなのだとか。

 本場では、挽肉は使わずに、牛肉の塊を筋繊維が柔らかくほぐれるまで塊のまま煮て、ほぐしたものをスパゲッティの上に乗せて、肉塊を煮込んだソースを絡めて食べるそうな。

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