【伝説】になった就活【決め台詞】~参考にしたらダメなヤツ~

 就活、それは就職活動。

 悲喜こもごもな様々なドラマが繰り広げられる舞台でもある。

 昨今は、お祈りすることされることが主流らしい。


 そして、嘘のような、伝説の就活の記録。


 それは一言で全てが決まった。という嘘のような本当にあったお話・・・らしい。



 それは、かれこれ三十年以上は前のお話・・・だとか。知っている人は数多けれど、覚えている人はいかほどのものか。


 とある就職希望者である学生が某ビール会社に面接を受けた。その男は一人、数名の面接官を前に、気負った様子もなく泰然とした様子で堂々と入室した。


 面接官は確認のため、名前、学歴、志望動機など、決まったセリフを淡々と述べ、滔々とうとうと語ってもらうのだが、困ったことになった。


 それは、当の就職希望者が入室後、一言も何もしゃべらないからだ。


 業を煮やした面接責任者はすでにサジを投げ、不採用を決定した後。「君、最後に何か言うことはあるかね」と尋ねたところ、一言。


「男は黙って【某】サッポロビール!」と、堂々と言い放ったそうな。その当時のテレビCMのキャッチフレーズを、そのまま使用。


 その一言で、面接官達は満場一致で即採用を決めたのだった。






 だが、此処で終わらないのが伝説である。後日談を知る私としては・・・終わっとけと思う。






 内定が決定し、内定通知が出された後、【内定辞退】されたという。要は、他の条件が良いところに内定が決まったから、そちらを取ったのだとか。


 正に【伝説】になった。


 その後、二番煎じを演じた者は、尽くが落とされる羽目になったという。

 まあ、あまりにも有名すぎる話です。当時しばらくは、意味もわからず「男は黙って【某】ビール!」という決め台詞がむやみに流行っていたくらいには。



 忘れられていそうな今だからこそ、使えば決まるかもしれないが、とても危険な諸刃のセリフとなりそうです。



 後日談

 しどろもどろに二番煎じを演じた者が言った決め台詞「・・・お、男は黙って【某】ビール!」

「・・・君ね、此処がなんという名前の会社か、調べてきたまえ」


 【某】ビール会社・・・ではない別の霊獣キリンビール会社でそれをしたものだから、総スカンを食らったそうな。


 これは実際にあった有名な話。


 とりあえず、最初に言ったとおり、参考にしたら痛い目を見る確率は高すぎますので、使用はやめておきましょう。お薦めはできません。


 【かつて】は、そういった手も通用し、使用できましたが、現代のような情報化社会となった今、SNSにでも挙げられようものなら、その先の未来は明るい笑顔に包まれるかもしれないが、当人にとっては暗い陰鬱なものとなりうるでしょう。

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