第3話最悪の始まり
わたしには軽いオカルトがある。
1つ、端の台には座ってはいけない。
2つ、30分プレイ後、体感で当たらないことを感じたら台を変える。
3つ、体調が悪くなったらやめる。
上記3つはにわかなわたしの中だけのオカルト。
このオカルトさえ守れば、”ひどい負け方”はしない。
◇◇◇◇◇◇
わたしはオカルトを信じ席を選ぶ。
遊ぶ台は決まっている。
魔法少女もので彼女たちが
人差し指をタッチするように要求したあと
タッチし続けると
それがわたしの少ない楽しみでもある。
「さて、この席をいただきましょう」
わたしは席に座る。
台のディスプレイに顔を向けるとそこには…
”夢に出会た深緑の目の者”がディスプレイ内にいる…
鏡だけに映るじゃないのね、と思いつつ
遊びはじめる。
そうすると
緑目は
「見えているはずだろ、無視するなんてひどいではないか」
感情を感じない音質がわたしの耳にはいる。
わたしは逃げられないので
緑目に返事をする。
「ごめんなさい。
しかし、わたしからみた
見間違いか幻覚の類にしか感じられないため
いままで相手にしませんでした」
緑目は軽く相槌を打つ。
その後、緑目についていろいろと聞かせてもらった。
適当な人の前に現れては
力を与えたり、願いを叶えたりしている。
しかし、信仰力が少ない状態下では簡単なことしかできない。
そのため、人から信仰力をもらうようにしている。
「力はほしくないか? 願いはないか?」
と
「おじさんはないかな」
とわたしは返事する。
力ほしくないわけではない。力はほしい。
願いがないわけでもない。願いは叶えほしい。
でも、力も願いももらえたところで
わたしは幸せになれるわたしを考えられなかった。
実感がわからないというのが答えなのかもしれない。
バイトで生計を立てて
やばいなと思いつつも
なんだかんだで普通に生きているからかもしれない。
欲がないといわないが、
だらかといってこれ以上のものを与えれたからといって
幸せなわたしを想像できない…
いままでどおりに現状維持することで満足している。
ダメ人間と言われるかもしれないが、
いまはわたしの幸せは現状を維持した生活が
わたしの幸せで願いなのかもしれない。
と
曖昧に言葉をぼかしながら伝える。
「おじさんが
大きな動きがあっても困るからおじさんは願いを叶えてとはいわないかな」
「そうか、でもわたしは見えるということはおまえはすこしでもわたしに
信仰をしめしているのだ、だからもうすこしだけおもえの近くにいる」
「近くにいるのいいけどね、そのディスプレイからどけないないのかね」
そう、
魔法少女がうまく見えていなかった。
わたしの推しメンがタッチを求めてきたときに
推しメン《かのじょ》の顔に
重なったときは
願いは
数時間後。
わたしは”ひどい負け方”をした。
財布の中を確認して言葉にしてしまう。
「給料日まであと5日間、もやし生活かな…」
そして、わたしのオカルトには以下の内容が更新される。
4つ、緑目が見える場合は帰る。
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