第16話 11本のひまわり

 ゲホッゲホッゲホッ。

「大丈夫〜?」

「1日ゆっくりしてたらなんとか...ゲホッ」

「どこが大丈夫やねん」

 6月の土曜日。段々とセミの音...と共に咳の音がしますねぇ。

「38度4分」

「うげぇ...よかった...学校休みで...」

はい、俺は昨日の夜から珍しく風邪をひきました。いやぁかなり久しぶり。俺の横には学校の委員会を終えた制服姿の澪がいる。しかも俺のために風邪に効くゼリーとか飲み物とか食べ物をめちゃくちゃ買ってきてくれて幸せ過ぎて死にそう〜。ん?待てよ?この流れだと...行けそうですな...。行ける確率81.0%。

「ねぇ神聖なる輝かしい澪さん。お願いがあるんだけどさ」

「なんやまた学年一位取ったお疲れの遼さんよ」

「俺に風邪が治るような呪文唱えて欲しい」

「はい?」

「なんて言うか...痛いの痛いの飛んで行けーの風邪Ver.をお願いします」

「か、風邪Ver...風邪Ver.か...」

澪が前髪を分け直して照れながら俺のおでこに両手を添えた。

「しんどいの...しんどいのあっち行け〜......♡♡」

ヴっ...!?やばい、これは流石に熱が上がって来て。

「ヴーーーーーーーーっ。うげぇ」

「えっ、遼?遼!?大丈夫!?ちょっと!?めっちゃ鼻血出てるやん!?」

「ああ〜澪おおお......好き...」

「遼おおおおおお!!!!」

高千穂遼、澪の激萌えアタックを受けて出血多量で尊死。

 その頃、神姬の家では...。

「何しとん?」

「ゲーム〜!お姉ちゃんもやる〜?」

「おん!やろやろ〜!」

わたしの部屋には松阪に住んでる高校1年生の親戚が居る。名前は柘植雄也つげゆうや。たまーに家族でわたしの家に来てこうやって遊びに来る。今日はわたしが委員会から帰ってきたら半年ぶりに参上してきやがった。高1と聞くと結構厳つそうに見えるが雄也は全くだ。

「なぁなぁ見て〜。サッカーの試合中に選手がシュート打った時の観客の真似」

「ぶっ」

ご覧の通りめっちゃ子供、自由奔放、可愛い。身長もわたしより低い。

「神姬〜雄也〜ご飯出来たで〜」

「はーい。ほら雄也行くで」

「待って!...ほい!」

なんか雄也がスーパーでよくある呼び込み君(たったらたったったったった〜って音楽と共に「いらっしゃいませ!×2〜」って流れてるやつ)みたいに両手広げ始めた。

「なんやそれ」

「俺が小6ん時の同級生の義雄君の抱っこの合図!!」

「いや誰やねん!!!!」

って突っ込んだ後雄也を抱っこして階段を降りた。

 ...数時間経ってダラダラしながらテレビ見たりして夜になるとかなり楽になった。

「お、神姬から電話や」

澪の携帯に神姬から電話がかかっていた。

「もしもーし」

「澪〜夏休みの宿題って何あったっけ?」

「えっとなぁ...」

たまにこーやって澪に電話するわたし。だって楽しいんだもん。

「国語と数学と作文だけや」

「おっけありがと〜」

「今なにしとん?」

「今〜?親戚とグダグダ喋りながら宿題しよる〜」

「あぁ〜松阪の子かいな?」

「そーそー」

こんな感じでダラダラ喋りながら宿題していた。すると5分してからだった。

「んで?今どこまで終わっとん?」

「今はな〜えっ」

わたしの太ももに雄也の手が置かれた。まぁたまにあるしいいやと放置していたがなんかずりずりと太ももを撫で始めた。澪との通話は続く。

「にしても親戚とめっちゃ仲ええんやなぁ」

「せやろ?弟みたいな存在っ!?」

「ん?」

えぇ...?雄也の右手がわたしのスカートの中に入ってパンツの上からアソコにツンっと触れた。雄也の顔は「ん?どうしたの?」って感じの顔をしてわたしを見てる。手を払うが何度も何度もスカートの中に手を入れてくる。

「どなえしたん?」

「へっ?あ、あぁいや何もないで〜」

急いで雄也の手を払うがまた右手はスカートの中に入って今度は左手がおっぱいに触れた。な、なにしてるの?え?なに親戚のわたしにセクハラしてんの!?は!?っ...。しまった、震えてしまった。だめ、ダメダメ。我慢せな...。澪にバレたらやばいって...うっ...。

「んで?いつおしみんの家で飲み会すんの?」

「え?っ、た、確か7月29日って...っ...あっ♡」

「あ、もう決まっとんや。え!?待って!?バイト入っとるやん!?」

「えっ...嘘やろ?はっ...♡どなえかしてやっ...」

「うーーーん...どなえしよ〜遼、代わりに出勤」

「お断りします」

「はぁ!?なんでやねん!!...」

よし...なんとかバレてないっ...♡気が付けばカッターシャツのボタンを外されてブラの下に手を入れられて直でおっぱい揉まれててスカート捲られてパンツ丸見えの状態で触られている。あぁ...♡感じてる...♡しまった...最近自分でも触ってないから余計に...あぁ...。触られてるせいで力が入らないし首を振っても止まる気配がない。

「よっしゃ神姬!!休み取れた!!」

「はっ......っ♡...はっ...♡っ...♡」

「神姬?」

「へっ!?あ、な、何っ...!?」

「バイト休み取れたで!!」

「お、おぉ!!やっ...たやん!!」

「せやろー!!これで飲みに行けるなぁ」

「うん...っ♡せ、せやね...っっ♡」

「ん?なんか通信悪いな...」

その澪の声を聞いたと同時に雄也が親指の腹でパンツの上からそこを速く擦り乳首もコリコリさわさわされて耳も舐められてもうわたしは抵抗が全く出来なくなった。あぁ...このままじゃ雄也にイかされるっ...♡

「んじゃ、そう言うことやから頼むわ〜」

「はっ♡はぁっ♡あっ...っ♡♡♡♡はっ...♡♡」

「えっ、か、神姬?」

イッちゃった......友達との通話中に。

「もしもーーし」

「はっ...あ、ご、ごめん。うん、わ、分かった」

「ほいほい。んじゃお疲れ〜」

「お、お疲れ〜...」

澪との通話を切った。...。

「なんか...神姬えらい色っぽなかった?」

「うん...なんかエロかっ」

「何してくれとんじゃボケェえ!!!!」

「うぎゃーーーーっ!?」

お隣の月詠家からでかい声が聞こえた。

『...ね、寝よっか』  「友達に聞こえとったらどなえすんねん...しかもなに親戚に手出しとんじゃクソガキィ!!!」

「だって...お姉ちゃん...俺がここ来る度にエロさが増しよるから...」

「え...ええエロかったらセクハラしてええんかい...!!お前それが正しかったら電車乗っとる時に「うわ、あの人めっちゃエロいやん痴漢したろ〜!!!」ってのも通用してまうやろ!!!」

無口で横を向く雄也。

「でもお姉ちゃん...逃げんかったやん」

「へっ?」

「そ、そんな触られるん嫌やったら...逃げたら良かったやん。でも...逃げんかったやん」

こいつぅ...!!!!1番触れたらあかん所をををを!!!!

「やかましいわこのクソガ」

「待って!!」

「...な、なんや」

めちゃくちゃ苦い牛乳を飲んだかのような顔をして目をパチッと開いた。

「......僕...お姉ちゃんの事...好きやねん」

「......は?」

とりあえず雄也を3発ビンタして両手拘束して部屋に放置してお風呂入った後で尋問開始。

「...え、えっとー...ど、どういう事?」

「ずっと前から...お、お姉ちゃんの事好きやってん...」

...これって...告白?なんか今逆転されてる気がするんですけども...?

「...え、えぇ......あ、そ、そーなん...や......」

な、なんて言えばいいのか分からなくなって気付けばわたしの怒りも消えてた。雄也は照れてるのが丸分かり。

「お姉ちゃん...ずっと彼氏欲しい欲しい言うてたやん」

「...そ、そうやけど......」

「僕じゃ...あかん?」

うぐぅっ...!?別にそういう趣味がある訳では無い、でも今のこの両手拘束されてるのにも関わらずにめっちゃ照れた顔でわたしにアタックしてくる雄也がなんか...可愛い。それに...高校生になって初めて告られた。しかも年下でクソ可愛い男の子に。

「...うーんでもなー(棒)」

「えっ」

「そ、そんなに好きな人にセクハラするなんてあ、あありえへんよな〜(棒)」

「あぁあっ...も、もうせーへん!!し、しません!!次したら僕の事去勢してもいいから!!お姉ちゃんでもうシコらへんしエロいこと考えません!!...ゆ、許して...下さい」

!!?!!!?!?な、なにその柔らかい声......あっ、あっ、あああああ。

「ヴーーーーーーっ...うげぇ」

「えっ、お姉ちゃん!?お姉ちゃん!?」

月詠神姬、雄也が可愛すぎて出血多量で尊死。この時思った、こいつわたしオカズにしてシコっとったんかい。

 数日後。風邪も治って学校終わりに暇だったので澪とバトミントン部の練習に遊びに行った。顧問(姫島)曰く元から成績は良かったみたいだか俺と澪が遊びに来てからだんだん上がってきてるらしい。給料貰ってもいいっすか?

「帰ったらゲームする?」

「おん、しよしよ〜」

「んじゃ...お?」

駅の近くで見覚えのある女が歩いてやがる。

「神姬やん」

「しっ!!」

「え?...あぅら」

澪を黙らせたのには理由がある。なんと神姬の横に男がいるからだ。し、か、も!!!手をつないでいる。澪が目で俺に伝える。「尾行しようや」と。

「...何しとんやアレ」

「アイス一緒に食べてるね」

スーパーの自転車置き場から2人を見ている俺と澪。なんと神姬とその男はスーパー近くのベンチで2つで1つのアイスを2人で分け合って食べていた!!!!!

「思とった以上に普通やな」

「ですな」

するとまた手を繋ぎながら動き始めやがって一緒に写真撮ったり楽しそうに話しながら家の方へと歩くその2人。そして俺の家の前に着いた。俺と澪も続けて尾行して家の近くの曲がり角でじーっと覗く。

「えっ...」

「あら〜」

なんと神姬が脚を伸ばしてその男の顔に顔を近づけた!!

『ブオオオオオオーーーーーー!!!!』

「え」

澪のスマホから船の汽船がなり始めた。

「バイト先からの電話やったわ」

「マナーモードにしとけよコラ」

「えっ、遼...澪...?」

『あ』

神姬にバレた。尾 行 失 敗。

 『ええええええ!?いつの間に!?』

俺の家で神姬に対する尋問が俺の家に居た光、愛、善子と俺と澪で始まった。

「ちょっと前から...付き合ってます」

「なーんや...付き合うとったんかいなぁ」

「しかも親戚の子って...もしかして...」

『売春?』

「変な解釈すな!!!」

この後も色々質問して付き合うきっかけを聞くと雄也君がめちゃくちゃ慌て始めて突然神姬を引いて神姬の家に帰ってしまった。

「危な〜バレかけた〜」

「別にわたしはバレても良かったけどー(棒)」

「俺は嫌やの!!!」

めっちゃ必死そうな顔でわたしに訴える雄也。何回もこの顔みてるけど可愛すぎて...何も無いよ?逆に何期待しとったんやそこのお前。

「お姉ちゃん」

「んっ...」

突然、いやマジで突然わたしにぎゅっと抱き着いてめちゃくそ嬉しそうな顔でキスしてきた雄也。びっくりして後にあったわたしのベッドにドミノのように倒れた。

「お姉ちゃん......好き」

「...何が...したいん?」

そう問いかけるとわたしの両手を繋いでディープキスをかましてきやがった。...わたし......年下に襲われてる......。気が付けばシャツを脱がそうとしてやがる。負けた。諦めて雄也に身を預けた。

 「これから何しようかしら?」

「大富豪はどうかな?」

『あぁ^~いいっすね^~』












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