第7話 秘密

「うー......しんど」

「38.6℃...普通だな!」

「どこがやねん」

9月の下旬のある土曜日。俺は昨日学校から家に帰ってきた瞬間なーんかしんどいなーって思ってたらまさかの風邪を引いてしまった。それにわざわざいつメンが看病しに来てくれた。あぁ...申し訳ない。

「どない?しんどい以外なんかある?」

「んー...いや、しんどいだけかな...」

「ほいほい、なんかあったらウチら呼んでや」

「あ、ごめん私そろそろ用事が...」

「私もです...」

「アタシも神姬とちょっと用事が...」

「えっ」

ということで。

『後はお願いします』

「うぃっす」

ウチ以外用事で家を出た。

「zzz...」

遼はぐっすり寝てる。すると部屋のドアが開いた。

「どう?遼」

「んー、熱まぁまぁあってしんどそうやわ」

遼の母のみのりさんが来た。

「そっかぁ...」

「あ、そうや。加湿器無いん?」

「うん、あるよ」

「んならそれとビニール袋持ってきて〜」

「了解〜」

ということで実さんに加湿器とビニール袋を持ってきてもらった(ちなみに遼の父の名前は祐人ひろと)。スイッチをオンにすると水蒸気がもくもく加湿器から出始めた。あ、せやせや飲み物とか買うてきたろ。

...そして、5時間後。...ん。目が覚めた。え、15時!?あれ...さっき体温はかってもらった時10時だったような...。お?なんか身体が軽いぞ?寝たからか楽になったのかな?あれ?神姬達が居ない代わりに澪が座りながら頭を壁に当てて寝ている。えっ、加湿器とゴミ箱...?俺の周りに色々と置かれている。わざわざセットしてくれたのか...ありがとうございます。にしても9月下旬なのに暑いなぁ...タオルタオル...。

「...起きたん?」

「うぇっ」

ちょっと物音たてたからかクソでかいあくびしながら澪が起きた。

「あーごめんごめん...寝とったわ...どない?大丈夫?」

「うん、寝たからまぁまぁ楽になったよ。あと...加湿器とかありがとう」

「えっ、あ、ああー...いえいえ。の、喉とか乾いてへん?飲みや?これ」

「えっ、あ、ありがとう」

澪から栄養ゼリーとか風邪に効く飲み物とかを頂いた。なんかめちゃくちゃ申し訳ないな...。ある程度身体も楽になって澪と雑談していた。ただ話は世間話から神姬へと移っていき...。

「ほんまに神姬と何もないん?」

「えっ」

澪が腕枕しながら寝転んで俺に聞いてきた。かわいい。

「いや...な、無いよ?どしたの急に」

「ほんまにー?あんなエロい身体しとんのに3年も手出さずとか性欲バグっとるで?そんな人居るんけ?」

「......まぁ、そうだよな.........」

「えっ」

「えっ」

そう言った瞬間めちゃくちゃ驚いた顔をする澪。なんか「いや、流石に遼はそこら辺ちゃんとしとうからなんもないやろ。いやあれへんあれへん!!あったら人工衛星が人に当たる並にやばい事やで!?」みたいな顔から「これ事件ちゃうか!?」みたいな顔に変わった。

「な、何したん...?」

「んー...」

「あ、いや、い、言いいたくなかったらええで?」

「その...」

「あ、言うてくれるんや」

〜とある中2の夏の話〜。

 学校を終えて神姬と俺の家でゲームしてた時の話。確かその時休憩してた。

「...あのさ」

「ん?」

夕日を見ながら俺に話しかけてきた神姬。

「このゲームの女の子のヒロインってさ、敵に負けたらゲームオーバーやんか」

「うん」

「ゲームオーバーの後のヒロインって...敵に何されるんかな?」

「...ん?さ、さぁ?殺されるんじゃない?知らないけど...?」

なんかめっちゃ不思議そうなのと緊張してそうな顔をしている神姬さん。

「なぁ、ヒロインごっこやらん?わたしがヒロインで遼が敵で...。このヒロインの気持ちになってみたいねん」

「えっ、べ、別にいいけど...」

「あ、基本...な、なにしてもええから!!」

「りょ、了解」

な、なにしてもいい...?と、ということでヒロインごっこすることになった。

「おらぁー!!」

「ぬわっ!?」

急に神姬が俺に飛び付いて腹をこちょこちょし始めた。

「待っ!!はははっ!!!ちょっ!!!死ぬ!!しぬ!!うははははっ!!!」

「ふははー!!!どうやどうや〜!!!」

たまに神姬は俺と家にいる時こうやってこちょこちょしてくる。そんくらいの仲なんです。

「このっ!!!」

「うわっ!?」

神姬の太ももを指でグリグリする俺。この日の前日、神姬は調子に乗ってヒンズースクワット500回やって下半身が筋肉痛なのだ。

「痛い!!×8そこはあかん!!!あかんって!!!」

「やかましいわ!!!」

べチンッ!!!

「キャっ!?」

神姬のお尻を叩いてやった。ほう...さっきからチラチラ見えてたけど今日のパンツは赤か。ほぼ毎日見えてるためなんか「あー見えてる〜エロ〜」って思うくらいだ。

「何パンツ見とんじゃ!!!」

「へぶっ!!!」

横にあったベッドの枕で神姬に顔を叩かれた。

「まだまだ行くでぇええ!!」

「スキありぃ!!」

「えっ!?」

神姬が俺を蹴ろうとしてきた脚を掴みあげた。

「ちょっ、や、やめてよ!!!」

「おほ〜」

神姬はこの時バレエやってたから身体が物凄く柔らかいから脚が普通に180°以上開く。今俺の目の前は凄い光景だ。パンツ丸見え!!いつもこんな感じで遊んでる。しかし...ここで俺はなんかが覚醒した。なんか...神姬がエロく見えてきた。今までなんとも思ってなかったのに。やばい、一線越えそう。あ、だめ、あー...。

「ひゃっ!?」

遅かった。俺の指が神姬のパンツのソコに触れた。

「ちょっ...♡遼っ...そこは...あっ♡」

えっ...聞いたことない声を発する神姬。しかも声も顔もエロい...。ていうか.........ココってこんなに柔らかいんだ...。

「ちょっ...♡はっ♡なぁ!!遼っ♡」

「痛っ!?」

割と強い力でほっぺを叩かれた。股を抑えて顔を赤くしてる神姬。...まじで調子に乗り過ぎた。殺される。終わった。犯罪やぞ俺。

「こ、このっ、どこ触っとんねん!!」

「危なっ!?」

神姬が上から枕を俺に叩き付けて来る寸前に避けて神姬の膝を蹴って膝カックンさせてすぐに神姬の後に回って後ろから抱き着いた。

「はぁ...はぁ...はぁ...」

「もう疲れたの?」

「...」

何も言わずにチラッと俺の顔を見ながら少しだけ脚を開いた神姬。...これはいいってことなのかな...?

「あっ...♡もうっ...んん♡」

神姬のソコをパンツ越しにスリスリするとピクっと震えたりエロい声を出す神姬。だんだんとその声が大きくなってくると共に自分から脚を開いてる。俺にされるがままになってる感じ。興奮してた俺は無意識に神姬のおっぱいも揉んでいた。大きい、めちゃくちゃ大きい。

「はっ♡あっ♡っ...♡イっ...んっ♡あぁっ♡♡♡」

「えっ」

急に大きく震えた神姬。はぁはぁと息を荒らげてる。てか気づけば指がヌルヌルしてる。

「...むぅ...イったやんかぁ...♡えっち♡」

神姬に押し倒された。神姬の顔は赤くて火照りまくってる。

「遼が悪いんやから...勝手に触った挙句に......イかせて...♡」

「え、えっ」

俺の両手を握る神姬。そして俺にキスをしてきた。んん...舌を入れてきてなんか頭がぼーっとしてきた。あぁ、神姬の髪のいい匂い。

「もっと...わたしに触れて...♡」

「......え...?」

そう言われてもう一度キスをして......お互い制服を脱いで............結局欲に負けて...最後までした。そう、俺は中学2年で童貞を卒業した。全くするつもり無かったのに卒業したのだ。本当にこの日は俺にとってめちゃくちゃ刺激が強すぎて寝れなかった。恐らく神姬もそうだろう。その日から1ヶ月に2回くらい高校に入る直前まで付き合ってもないのにヤっていた。ほとんど家でヤってたがたまに学校で隠れてヤってた時もあった。しかし、付き合うという感情は無かった。いわゆるセフレみたいなもの。高校に入る直前からヤらなくなった理由は「友達同士やのにヤるってヤバくね?」ってなったから。そっからまた普通の友達に戻ったのだ。...よく考えると普通の友達に戻れたのも今思うと凄いことだな。

 「...って言う事が...ね..」

「ほーん...つまり童貞は嘘やねんな?」

「ま、まぁ...うん」

「んでもめっちゃ変わった関係やったんやね」

「澪は?」

「えっ」

「なんかないの?そういう...話」

「な、なんでそんなこと聞くん」

なんかソワソワし始めた澪。

「俺話したんだよ?じゃあ、ちょっと話してくれても...良くない?」

「ええ...ウチ、処女やで?」

「え?」

嘘だろ?勝手にもう処女卒業してるのかと...ってこれじゃあ俺だけが秘密暴露したみたいになるじゃん。

「もー!神姬らもそれ言うたらめっちゃ「え?」とか「嘘やん」とか言われるねんけど!ウチそんな経験あるように見えるん?」

「うん」

「うー...ないわ。恋愛もあんましてへんもん...ボケ」

「...ま、まあ、さっき言ったことは2人だけの秘密にしてよ?」

「しゃーなしな!」

 澪が大きくあくびした。めっちゃ眠そう。

「なぁ、一緒に布団入ってええ?」

「風邪移るよ?」

「ウチはええよ。遼は嫌?」

「澪がいいならいいよ」

ということで澪がベッドに入ってきた。久々に澪と2人でベッドにいる。おお~近い。

「遼」

「ん?...!!?!?」

突然澪が俺のほっぺにぷにっと人差し指をさしてきた。突然過ぎた。

「おやすみ♡」

そう言って澪は目を閉じた。...やばい、熱が上がる前に寝ようということで俺も目を閉じた。





















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る