第4話 夏休み 中間
ひゅーン...ボーーン!!!
8月5日。浴衣を着て下駄を履いてカランコロン音を立ててる。今日は家の近くの海岸沿いの祭り会場で花火を見ている。いやぁ今年も綺麗だなぁ。いつもは神姬と俺で来てたけど今年から俺達いつメンで見に来るなんて驚きだよ。なんなのこのメンツ?横にいる赤ちゃんとか「お前もう両手やなくて周りに花状態じゃねーかよ」って顔してんじゃん。まぁ綺麗だからいいけど。
そして1時間後...。
『お誕生日おめでとーー!!!』
花火を見終わって俺の家に帰って誕生日パーティーをしている。誰の誕生日って?実は俺なんだよな〜と言うのも俺の誕生日はこの尾鷲の花火大会と被っている(たまに前後するけど)。何気こんな大人数に誕生日祝われたの久しぶりだなぁ。
「は〜い、これ」
「えっ...えぇっ!?」
愛によると「いつメンの誕生日は今までに無いくらい盛大に祝うのよ」と言う。そのためプレゼントも豪華だ。神姬からはめちゃくちゃかっこいいスニーカー、光からはサイコロが付いてる可愛いネックレス...善子からは可愛らしいけどよくある像が踏んでもだいじょーぶ!!の頑丈過ぎるペンケース。澪からは喉から手が出るほど欲しかった自動巻きの腕時計。愛からは新しく発売された音楽プレーヤーで俺の親からは36000円の三日月の形をしたイヤホンだった......。暫定今年一嬉しい。
「嬉しい?」
「うん...こんなに嬉しいのははじめて」
「ほんま?良かった〜」
澪がめちゃくちゃ嬉しそうに喜んでる。今回澪の腕時計は本当に嬉しかった。
「ねぇ〜ババ抜きやろ〜!!」
『やるー!!!』
今日も寝れなさそうだ...結局夜中の4時くらいまで楽しんだ。
そしてバカ疲れて爆睡しまくって次の次の日の12時。
「おったー!!」
「おお〜でかい!」
この日は澪と近くの山で虫取りしている。もう既に4匹見つけている。
「めっちゃデカない!?」
「だね!!こんなでかいの久しぶりに...」
「ん?」
...しまった。カブトムシのでかさじゃなくて...澪の胸のでかさに全てを奪われた。いや違う、今澪の服装は白のTシャツに黒のミニスカート。澪は今しゃがんでる。垂れたシャツから澪の谷間がめちゃくちゃ見える。それにミニスカートを履いてきてる。「ミニ」だ。もう見えてんだよ。黒のパンツが見えてるんですわ。さっきなんか山登る階段上がってる時もスカートひらひらさせながら「早よ早よ~!!」って煽ってくる。その煽りが別の意味を連想させる。
「ど、どしたん?」
しかも...黒!!!こいつ...黒下着着てやがる!!!
「遼?」
「...えっ、あ、い、いいやいや...何も何も...」
「しんどいん?休む?」
「あああーーいやいや大丈夫大丈夫ごめんごめんごめん大丈夫大丈夫」
「ほんまに大丈夫?しんどなる前に言うてや?無理したらあかんで?」
「う、うん。ありがと」
良かった...多分バレてない、多分。なんとかやり過ごしたのはいいけど澪をめちゃくちゃ心配させてしまった。申し訳ない...というか澪は俺なんか心配するより自分のこと心配してくれ頼むから。
「なぁ見て!!タヌキおる!!」
「えっ、どこどこ?」
しゃがみながら草むらの奥を指さす澪。俺は中立ちしながら見てた。しかし俺はそっちの方よりも澪のTシャツが前に出て上から見える黒のブラが絶景すぎて集中できない。しかもさっきより脚を開いてるため黒のパンツも鮮明に見えてる。めっちゃ見えてる。澪は全く気付いてない。言おうか迷ったがもうちょっと様子を見ることにした。そのままの方が俺も嬉しいっちゃ嬉しい。
その後もどんどん山の奥へと進む俺と澪。
「うわっ!?」
「どした!?」
澪がめちゃくちゃでかい声で驚いて俺にしがみついてきた。澪の目線の先には結構長い蛇が居た。なんか俺と澪の方をめっちゃ見てる。
「うわ蛇やん...」
「だ、たね...」
俺は蛇よりもおっぱいをむにゅっと押し付けながらしがみついてくる澪にびっくりしてる。それに俺の右手は澪を抱いてて左手は何故か澪のお尻に添えている。めちゃくちゃいい感じ...ってただの痴漢やないか俺。それに今気づいた。...勃ってる。もう1人の俺が元気になってる。ヤバいって。澪の脚に当たってるって。蛇も「なんだよ...羨ましい」みたいな顔して森の奥へと去っていった。
「あ、ごめんごめん...。ウチめっちゃ蛇苦手やねん」
「そ、そうなんだ...まぁ誰にでも苦手なものもあるよね」
良かった...気付いてない。急いでポジション変更してなんとかなったのはいいがさっきより汗で澪のTシャツから黒ブラが透けまくってる。白Tだから余計に目立つ。もう俺の目のやり場が無くなった。
そして結構カブトムシさんとクワガタさんを捕まえれたし澪のチラっも見れた。山から出て田んぼ道をひたすら歩く俺と澪。...あぁ、ダメだ見てしまう。もう透けまくってるし。
「遼?」
「えっ」
「どしたん?ずっとぼーっとしとうで?」
「あー......。いやぁ...あー...」
めちゃくちゃ心配そうに俺を見る澪。ここで高千穂少年は思った。"澪、その辺気付いてない説"。
澪は見た目めっちゃ可愛いしいい身体してる。それに私服もめちゃくちゃ可愛いしオシャレ。ただ...澪は学校以外の時はチラリすることがめちゃくちゃ多い。別にそういう際どい服を着てる訳では無い。単に無頓着過ぎるのだ。澪のブラとかは何回も見えたがパンツの方がめちゃくちゃ見る...いや、見えてしまう。んー、あんまりこの言い方は好きじゃないが澪のためだ、仕方ない。こーなったら俺も出るか。
「澪」
「はいっ」
「怒らないで、あと落ち着いて聞いてくれ」
「は、はいっ」
ふーっと息を吐いて目をキリッとさせた。
「自分の...む、胸見てみ」
「え?」
スッケスケの胸を見て「?」みたいな顔をする澪。
「あー...まぁ、俺と澪は初めてこー、ね?2人で遊んだけど......澪はダントツで無頓着過ぎる...よ?」
「えっ」
変な言い方になってしまったが仕方ない。
「さっきもそうだけどそのー...おっぱいとブラがうっすいうすいTシャツからチラチラ見えるしさ...スカートからパンツがチラチラ見えたりして虫かごの中の虫さんより澪に目が行って仕方ないんですよ」
「ええ...?」
めちゃくちゃ戸惑ってる顔をしている澪。分かりやすすぎやろこいつ。皆で大富豪してる時とは大違いだ。
「俺は男。だから......普段日常生活でチラチラ見えたら正直嬉しい......めっちゃ嬉しい...よ?だけど...そのー、このご時世色々あるじゃん?そんなさらけ出しまくってたらまじで危ない人に襲われるよ?」
「そ、そんなに...?」
ちょっとずつ顔が赤くなってきた澪。
「澪はめっちゃ可愛いんだからさ、その辺ちゃんとした方がいいと思う...かな」
「うん...分かった」
...そして俺の家に着いた。時刻は19時。先にお風呂に入って乾いた洗濯物を部屋のタンスに入れてふと思った。俺...今日澪の事めちゃくちゃ言ったよな...?しかも見た事も言ったよな.........あああああああああなにじでんだよおれぇぇえええ!!!!!絶対嫌われた。絶対嫌われた。もーーーー最悪。うぅ、やってしまった......。友達だからって...俺なにしとんねん...。人の下着見てたことと?それ見て勃起してたし?......うううううう俺何してんだよおおおおお!!!!!真面目にやらかした。えげつない後悔が俺を襲っている。
ふー...楽しかったな〜。遼ん家のお風呂に入りながら今日1日を振り返ってるウチ。初めて遼と遊んだけどめっちゃおもろかったなぁ。神姬の言う通りや...遼ってめっちゃええ人やん。ええなぁ〜ウチも遼みたいな......。水滴の音が聞こえるくらい静まり返る浴室。今になって気付いた。ウチ遼に惚れてる...?いやいやいやいやいやんな訳んな訳。ウチは人に惚れた事が無いことで地元じゃ有名やぞ?そんなウチが...惚れたやと...!?なんで?遼は普段話す時もめっちゃ親身でおもろいし今日ウチにちゃんと注意してくれたし......。そんな人と出会うのは初めて。...これ来たんちゃうん?いやいやいや、まだ言うて遊んだん1回だけやでなぁ?1回でそんな...いや、素直になれ。今年の初詣京都の八坂神社行って「自分に素直になれますように」って願うたやろウチ(ツンデレちゃうで?)。その前から遼は気配り出来るしめっちゃおもろいし親切やし...。それに遼って顔もカッコイイから女子から人気もあるし...早めにせな他に取られる......。それに人生初惚れた人の家におって今日2人きりで寝る。......どないしよ...。んー...どうしよう。
俺&ウチの思ってる事、それは。
『澪とこれからどう接すればいいんだ?』『遼とどない接したらええんやろ?』
澪の恋が始まったようですね〜いいなぁ〜俺ももっとこう綺麗な人と結婚したかった...えっ、母さん!?ちょ、待って!!すみません!!ゆるしてください!!何でもしますから!!んああああ!!!!(cv:(故)遼の父)。
結局この後一緒に同じベッドで夜遅くまで喋ってから寝た。
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